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招かれざる男③

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 結局押し問答の末、根負けして再び席に座り直した。
 正直なところめちゃくちゃ帰りたいが、知之の言うように、料理も勿体なかったし。

 仏頂面のまま、残りの唐揚げをモグモグと咀嚼する僕。
 知之と会話しながらも、早乙女くんは嬉しそうに笑ってじっと僕の顔をガン見してくるものだから、こんなの喉に詰まりそうになる。
 ……食べた気が、しない。

 知之以上に早乙女くんはアルコールに強いらしく、最初の乾杯のビールの後は顔色ひとつ変えることなく、焼酎だの日本酒だのを淡々と飲み干していく。
 それが少しだけ、羨ましい。

「そう言えばいま、高校時代のモテ男ツートップと飲んでるんだよな。
 同級生の女の子達に知らせたら、めちゃくちゃ妬まれそう」

 酒のせいでほんのり頬を赤く染め、ふざけて身震いしながら知之が言った。
 うん?モテ男ツートップって、なんだ? 

 早乙女くんに関しては、まぁ分かる。
 誰がどう考えてもモテたに決まっているし、体育祭だの球技大会だのといったイベントの度に女子連中がキャアキャアと、盛り上がっていたのも目にしてきたからな。

 しかしツートップというからには、ひとりではお話にならない。
 知之も女友達は多かったように思うが、それでモテていたかと言われると少し違うような?

「知之。お前も確かに、人気者ではあったと思うけどさぁ。
 ……モテては、なくない?図々しいヤツめ!」

 酒の勢いもあり、ケラケラと笑いながら言ってやった。
 なのに知之と早乙女くんは顔を見合わせて、ほぼ同時にブハッと吹き出したかと思うと、知之が僕に突っ込んだ。

「無自覚、こえぇ……。
 俺じゃないよ、大晴。……お前の話だ、お前の!」

「だな。ホントコイツ、たち悪過ぎ」

「……へ?」

 二人のやり取りに驚き、顔を上げると、ちょっぴり困ったように笑う早乙女くんと目が合った。
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