2 / 111
2
しおりを挟む
通り過ぎる女の子達は皆振り返り、頬を染めるほどの美丈夫。
天は二物どころか、三物も四物も与えるところには与えるもんなんだなと、同じくバイト仲間のハラちゃんは初めてこの男を見た時感嘆した様子で言っていた。
しかしこのレベルまでいくと、羨ましいとも妬ましいとも思わなくなるのか、まるで別世界の生物を見ているような感覚になる。
なのに、この男。
‥‥‥何故か僕の事を、絶賛ストーキング中だったりする。
「そりゃあこれだけ通われたら、嫌でも覚えてしまいますよ。
毎日毎日、良くもまぁ飽きもせず来ますよね、ホント」
呆れ口調で、嫌味を口にした。
だけど西園寺さんは、恍惚とした笑みを浮かべ答えた。
「飽きないよ。だって陸斗くんが愛情を込めて作ってくれるお弁当は、本当に美味しいからね」
「料理自体はセントラルキッチン方式だし、手順通りに作っているので味は全国共通ですけどね。
ちなみに愛情は、込めてません」
にっこりと微笑み、答えた。
だけど彼はまた嬉しそうに笑って、弁当をカウンターに置こうとした僕の手に、どさくさに紛れて触れてきた。
「そういうツンデレな態度も、堪らないよ。
あぁ‥‥‥出来る事ならばこのまま、家に連れて帰りたい!」
うん。‥‥‥今日も今日とて、キモい。
「いつ僕が、あなたに対してデレて見せました?
寝言は、寝てから仰って下さいね」
満面の笑みで、答える僕。
しかしそこで西園寺さんは、秘書の二見さんに肩を掴まれた。
「海晴さん、時間です。
遊んでないで、そろそろ行かないと」
天は二物どころか、三物も四物も与えるところには与えるもんなんだなと、同じくバイト仲間のハラちゃんは初めてこの男を見た時感嘆した様子で言っていた。
しかしこのレベルまでいくと、羨ましいとも妬ましいとも思わなくなるのか、まるで別世界の生物を見ているような感覚になる。
なのに、この男。
‥‥‥何故か僕の事を、絶賛ストーキング中だったりする。
「そりゃあこれだけ通われたら、嫌でも覚えてしまいますよ。
毎日毎日、良くもまぁ飽きもせず来ますよね、ホント」
呆れ口調で、嫌味を口にした。
だけど西園寺さんは、恍惚とした笑みを浮かべ答えた。
「飽きないよ。だって陸斗くんが愛情を込めて作ってくれるお弁当は、本当に美味しいからね」
「料理自体はセントラルキッチン方式だし、手順通りに作っているので味は全国共通ですけどね。
ちなみに愛情は、込めてません」
にっこりと微笑み、答えた。
だけど彼はまた嬉しそうに笑って、弁当をカウンターに置こうとした僕の手に、どさくさに紛れて触れてきた。
「そういうツンデレな態度も、堪らないよ。
あぁ‥‥‥出来る事ならばこのまま、家に連れて帰りたい!」
うん。‥‥‥今日も今日とて、キモい。
「いつ僕が、あなたに対してデレて見せました?
寝言は、寝てから仰って下さいね」
満面の笑みで、答える僕。
しかしそこで西園寺さんは、秘書の二見さんに肩を掴まれた。
「海晴さん、時間です。
遊んでないで、そろそろ行かないと」
1
お気に入りに追加
105
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】元ヤクザの俺が推しの家政夫になってしまった件
深淵歩く猫
BL
元ヤクザの黛 慎矢(まゆずみ しんや)はハウスキーパーとして働く36歳。
ある日黛が務める家政婦事務所に、とある芸能事務所から依頼が来たのだが――
その内容がとても信じられないもので…
bloveさんにも投稿しております。
完結しました。


【完結】I adore you
ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。
そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。
※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。
ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話
あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハンター ライト(17)
???? アル(20)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後半のキャラ崩壊は許してください;;
思い出して欲しい二人
春色悠
BL
喫茶店でアルバイトをしている鷹木翠(たかぎ みどり)。ある日、喫茶店に初恋の人、白河朱鳥(しらかわ あすか)が女性を伴って入ってきた。しかも朱鳥は翠の事を覚えていない様で、幼い頃の約束をずっと覚えていた翠はショックを受ける。
そして恋心を忘れようと努力するが、昔と変わったのに変わっていない朱鳥に寧ろ、どんどん惚れてしまう。
一方朱鳥は、バッチリと翠の事を覚えていた。まさか取引先との昼食を食べに行った先で、再会すると思わず、緩む頬を引き締めて翠にかっこいい所を見せようと頑張ったが、翠は朱鳥の事を覚えていない様。それでも全く愛が冷めず、今度は本当に結婚するために翠を落としにかかる。
そんな二人の、もだもだ、じれったい、さっさとくっつけ!と、言いたくなるようなラブロマンス。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる