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焦り③
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「奏くん、ストップ!
待て!ハウス!」
ブンブンと左右に激しく首を振りながら、まるで本物の犬に言うみたいに必死にやめろと訴える千尋さん。
こんな真似をされているというのに、まだ俺なんかの事を信じているらしきその態度に少し驚きながらも、また笑いながら告げた。
「ダーメ、もう待たないよ?
せっかくゆっくりコトを進めようと思ってたのに、俺から勝手に逃げようとした千尋さんが悪い」
「逃げるって、何よ!?
やめろって、言ってるでしょう?
......って言うか、人の話を最後まで、ちゃんと聞けぇぇぇぇえ!!」
ふたりの唇がふれ合うまで、あわや数ミリというところで謎の殺気を感じ、反射的に体を引いた。
そしてその瞬間、さっきまで俺の股間があった辺りに、彼女の華麗なる膝蹴りが炸裂した。
ギリギリのところで避けたから、蹴られたのは太ももの少し下の方。
痛くないと言えば嘘になるが、急所は避けられたから不幸中の幸いと言えよう。
しかし......あっぶね!完全に油断してた。
あのまま彼女に乗っかったままだったらと思うと、心底ゾッとした。
それにしてもホントこの人は、俺の予想を軽々と超えてくるな。
あんなとこ、躊躇無く全力で蹴ってくるか?普通。
彼女から降りて床に転がり、悶絶するフリをする俺。
それを見てさすがにやり過ぎたと思ったのか、慌てて彼女は俺の体を起こした。
「ご......ごめんなさい!
そんなに痛がると、思わなくて。
......大丈......夫?」
「大丈夫じゃない。
......俺このまま、死んじゃうかも」
瞳を潤ませて言ったその言葉に驚き、恐る恐る俺の顔を覗き込む彼女の瞳。
あんな目に遭い掛けたというのに、優し過ぎないか?
全く......人が良いと言うか、なんと言うか。
はぁ......ヤバい、可愛い。
やっぱり、スゲェ好き。
待て!ハウス!」
ブンブンと左右に激しく首を振りながら、まるで本物の犬に言うみたいに必死にやめろと訴える千尋さん。
こんな真似をされているというのに、まだ俺なんかの事を信じているらしきその態度に少し驚きながらも、また笑いながら告げた。
「ダーメ、もう待たないよ?
せっかくゆっくりコトを進めようと思ってたのに、俺から勝手に逃げようとした千尋さんが悪い」
「逃げるって、何よ!?
やめろって、言ってるでしょう?
......って言うか、人の話を最後まで、ちゃんと聞けぇぇぇぇえ!!」
ふたりの唇がふれ合うまで、あわや数ミリというところで謎の殺気を感じ、反射的に体を引いた。
そしてその瞬間、さっきまで俺の股間があった辺りに、彼女の華麗なる膝蹴りが炸裂した。
ギリギリのところで避けたから、蹴られたのは太ももの少し下の方。
痛くないと言えば嘘になるが、急所は避けられたから不幸中の幸いと言えよう。
しかし......あっぶね!完全に油断してた。
あのまま彼女に乗っかったままだったらと思うと、心底ゾッとした。
それにしてもホントこの人は、俺の予想を軽々と超えてくるな。
あんなとこ、躊躇無く全力で蹴ってくるか?普通。
彼女から降りて床に転がり、悶絶するフリをする俺。
それを見てさすがにやり過ぎたと思ったのか、慌てて彼女は俺の体を起こした。
「ご......ごめんなさい!
そんなに痛がると、思わなくて。
......大丈......夫?」
「大丈夫じゃない。
......俺このまま、死んじゃうかも」
瞳を潤ませて言ったその言葉に驚き、恐る恐る俺の顔を覗き込む彼女の瞳。
あんな目に遭い掛けたというのに、優し過ぎないか?
全く......人が良いと言うか、なんと言うか。
はぁ......ヤバい、可愛い。
やっぱり、スゲェ好き。
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