年下俺様アイドルの、正しい飼い方

ryon*

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焦り②

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 ワケが分からないとでも言いたげに、俺を真っ直ぐに見上げる彼女の無垢な瞳。
 そのまま強く手を引き、乱暴に床に押し倒した。
 こんな事を俺にされるだなんて夢にも思っていなかったであろうその驚いたような表情に、また苛立った。

「ホント素直で純粋で、可愛いなぁ。
 でもさ......もう少し男に対して、警戒心を持った方が良いよ?」

 そっと彼女の頬に指先を伸ばし、強引に顔を上げさせると、そのまま自然とふたりの視線が絡み合った。

「ほっそ!スゲェ、華奢な体......。
 あんなにも、よく食べるのにね?」

 尚も笑いながら片方の手がスルリと滑らせ、彼女の腰の辺りをすっと撫でた。

 ただのハグなんかじゃなく、本当はずっとこうして触れたかった。
 
 めちゃくちゃ動揺しているらしき彼女は、反射的にぎゅっと目を閉じた。
 合意の上じゃなくても、敏感に震える彼女を見て、こんなにも簡単な事だったのかと感じた。
 自分でも本当に、最低な男だと思うけれど。
 
「そんな風に目を閉じてたら、もっと酷い事、俺にされちゃうかも知れないよ?」

 耳元でククッと笑ってそのまま指先を洋服の裾から器用に滑り込ませ、彼女の脇腹に直接触れた。
 それにびっくりして再び目を開けたその表情は、子供みたいで。
 場違いなくらい可愛くて、愛しくて。
 ......思わずプッと、吹き出した。

「そう、いい子だね。
 そうやって俺に何をされてるか、ちゃんと全部見てて」

 凶悪な形に、俺の唇が弧を描く。
 それを彼女はただぼんやりと、今のこの状況をまるで理解しているとは思えないような顔で見つめた。

「奏くん、待って......」

 ようやく今何をされているのか、これから何をされようとしているのかを理解したらしき彼女は、震える声で訴えた。
 ......だけど千尋さん、もう遅いよ。
 
 気付くと俺は、クスクスと笑っていた。

 ホントは心も欲しかったけれど、もういいや。
 ......どうせ全部失うのなら、せめて体だけでも。
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