年下俺様アイドルの、正しい飼い方

ryon*

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無防備過ぎる女②

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 語られた身の上話はかなり不憫だったし、若い女性をあんな時間に外に追い出せるほど、俺だって鬼畜ではない。
 それにマレーシアから二年ぶりに帰国したばかりだと言っていたから、俺の事を知らないというのもきっと、嘘や演技では無いだろう。

 というか、そもそもの話。
 ......俺と違って、嘘を吐けるタイプの人間に思えなかった。

 あと、ぶっちゃけて言うと。
 ......彼女はかなり、俺の好みのタイプだったのだ。
 さすがに泊めてやった事を恩に着せ、美味しく頂いてしまおうとか、そんな風に考えたワケではないけれど。

「それにしても......いちいち反応も、初心うぶで可愛かったよな」

 ちょっとからかっただけで、一瞬のうちにまるでトマトみたいに真っ赤に染まった白い肌。
 緩くカールした艶やかな茶色の髪も、愛くるしい大きな瞳もかなり俺的にはツボだった。
 業界にいる同業者の女の子達みたいに、香水や化粧品の匂いをプンプンさせていないのも好感が持てる。

 だけどあんなマンションの一室を自分で買ってしまうくらいだから、童顔に見えて俺より確実に年上だろうなと思う。
 なのに愛らしい見た目に反して、無垢でクソ真面目全開っていう雰囲気にも心惹かれた。
 ......年齢の割に全く男慣れしていなさそうな反応を見て、もっとこの人の事を知りたいと思った。
 
 だから出ていこうとする彼女の事を、咄嗟にあの手この手を使って引き留めてしまったのだ。
 こんな事をしたところで、俺にはデメリットしか無いはずなのに。

 いつもみたいに人畜無害な弟キャラでいった方が、警戒はされなかったかもしれない。
 だけどあの人に、そうはしたく無かった。
 何となくだけれどビジネス仕様アイドルではない、素の自分を見て貰いたかったのだ。

 ......こんな話をJOKERのメンバーにしたら、らしくないと爆笑されるに違いない。
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