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サイアクな選択④~side田畑~
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「おはよう、久米君。
朝だぞ?」
ベッドサイドに腰を下ろし、何事も無かったかのように声を掛けた。
彼の体は二度目の行為が終わったあと、抵抗するのを無理矢理押さえ付けて綺麗にしてやり、かなりオーバーサイズ気味ではあるもののこちらも力ずくで俺のパジャマに着替えさせておいた。
その為目のやり場に困るなんて事は無かったのは、不幸中の幸いと言えよう。
「ん......、おはようございます」
まだ寝ぼけ眼のまま、俺の事を見上げる大きな茶色の瞳。
それにまた危うく欲情しそうになり、慌てて『よき上司』の仮面を被り直した。
「朝ご飯、食べていくよね?
用意出来たから、一緒に食べよう」
反吐が出そうなくらい優しい笑みを浮かべ、言った。
困惑したように更に大きく見開いたあと、訝しむみたいにして細められた瞳。
でも俺はそれには気付かないフリをして、また穏やかに見えるよう、微笑んだ。
すると俺の意図を察したのか、彼もまたにっこりと微笑み返し、答えた。
「おはようございます、田畑課長。
......ありがとうございます、頂きます。」
二人で向かい合ってテーブルにつき、不気味なくらい当たり障りのない会話をしながら、朝食を摂った。
俺も昨夜の事に関して何も言わなかったし、彼もその事に対して、一切触れて来なかった。
だから俺は、完全に思い違いをしてしまったんだ。
この選択が最良で、久米君の望むモノだったんだって。
だって、知らなかったから。
コイツが半年も前に恋人と別れ、未だに惰性だけでお揃いのピアスをつけっぱにしてたなんて。
結果として、三種類あった選択肢の中で、一番サイアクなモノを選んでいた訳で。
......その事に俺が気付くのは、まだもう少し先の話。
朝だぞ?」
ベッドサイドに腰を下ろし、何事も無かったかのように声を掛けた。
彼の体は二度目の行為が終わったあと、抵抗するのを無理矢理押さえ付けて綺麗にしてやり、かなりオーバーサイズ気味ではあるもののこちらも力ずくで俺のパジャマに着替えさせておいた。
その為目のやり場に困るなんて事は無かったのは、不幸中の幸いと言えよう。
「ん......、おはようございます」
まだ寝ぼけ眼のまま、俺の事を見上げる大きな茶色の瞳。
それにまた危うく欲情しそうになり、慌てて『よき上司』の仮面を被り直した。
「朝ご飯、食べていくよね?
用意出来たから、一緒に食べよう」
反吐が出そうなくらい優しい笑みを浮かべ、言った。
困惑したように更に大きく見開いたあと、訝しむみたいにして細められた瞳。
でも俺はそれには気付かないフリをして、また穏やかに見えるよう、微笑んだ。
すると俺の意図を察したのか、彼もまたにっこりと微笑み返し、答えた。
「おはようございます、田畑課長。
......ありがとうございます、頂きます。」
二人で向かい合ってテーブルにつき、不気味なくらい当たり障りのない会話をしながら、朝食を摂った。
俺も昨夜の事に関して何も言わなかったし、彼もその事に対して、一切触れて来なかった。
だから俺は、完全に思い違いをしてしまったんだ。
この選択が最良で、久米君の望むモノだったんだって。
だって、知らなかったから。
コイツが半年も前に恋人と別れ、未だに惰性だけでお揃いのピアスをつけっぱにしてたなんて。
結果として、三種類あった選択肢の中で、一番サイアクなモノを選んでいた訳で。
......その事に俺が気付くのは、まだもう少し先の話。
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