ある日、森の中

ryon*

文字の大きさ
上 下
14 / 73

ある日、森の中⑭

しおりを挟む
「久米君、気持ちい?」

 優しく耳元で聞き、背後からそっと抱き締められると、いつもは天の邪鬼で悪態しか吐けない僕の唇から素直な言葉があふれ出た。

「ん......、気持ちい......。
 課長、もっと......!」

 そんな僕の声を聞き、クスリと耳のすぐ横で笑う彼。

 耳にかかる息すらも、気持ちよくて。
 この頃になるともう、悔しいとか、情けないとかも思わなくなってて。

 何でノンケの課長が、僕の事を抱こうと思ったんだろう?

 手近なところでいつでも使えそうな、性欲処理の道具みたいに見られてるんだろうか。

 それともこの人も、僕の事が好きなのかな。

 ......だったら、いいのに。

 でももうそんなの、どうでもいいか。
 ......気持ちいいし、僕がこの人の事を好きなんだから。

 聞きたい事も、言いたい事も山程ある筈なのに、ただ淫らな喘ぎ声だけが漏れる。

 そこからは考える事を放棄して、ただ与えられる刺激に溺れ、本能に従い求め、奪った。

「お前の中、ヤバ......。
 出すぞ、久米君......!」

 その言葉に、ただ何度も大きく頷いた。

 僕を抱き締める力が、強くなる。
 一段と激しくなる、律動。
 僕の中で彼のモノが更に大きくなり、脈動するのを感じた。

 気持ち良すぎて僕はもう動く事が出来ず、ただされるがまま彼に体を差し出し、喘ぎ続けて。

 ......そのまま二人、ほぼ同時に二度目の絶頂を迎えた。

***

 そして訪れた、賢者タイム。

 ちょっと気だるさを残したまま僕は苦虫を噛み潰したみたいな顔をして、抵抗する事無く抱き締められたまま吐き捨てるみたいに言った。

「......長いんですよ、課長。
 もしかして、遅漏?
 それとも年のせいで感覚、鈍くなってます?」

 すると課長は課長でまたしても眉間に深いシワを寄せ、忌々しげに答えた。

「はぁっ!?
 お前、ホント可愛くねぇな!
 ......さっきまではアンアン喘いで、悦んでた癖しやがって」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

処理中です...