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いざ、出陣①
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「改めて見てみると、本当に無駄に贅沢なお城よね。
護衛の騎士も、そんなに配置しなくても良いのに!」
リリィの背中に乗り、到着した皇城の上空、ド真ん前。
ドラゴンのステルス機能を使っているため、皆こちらに気付く様子はないものの、勘の良い一部の騎士は何者かの気配を敏感に感じ取り、時折こちらに視線を向けるものだからまったくドキドキしないワケでもない。
これから侵入するつもりの、不審者側の人間である私からしたら、迷惑な話である。
「ホント、お馬鹿な子。
あれだけの大事件が起きた、直後なのよ?
これぐらいの警備、当たり前じゃない」
呆れたように、リリィも小声で返した。
いちいち嫌味な、ドラゴンである。
しかし確かに厳重な警備態勢も、当然の事だと言えよう。
だってつい先日、この国唯一の皇太子 エドワード様の婚約者であり、公爵家のご令嬢、レイチェル・ノンフォルク様が暗殺され掛けたばかりなのだ。
これで甘々ゆるゆる警備だったら、それこそ国民達が黙ってはいないだろう。
自分が事件の関係者でなければ、最推し令嬢のレイたんが殺されそうになっただなんて聞けば、苛め役令嬢Bことシルヴィアちゃんと共に、確実にデモを仕切っていたものと思われる。
「まぁ、良いわ。
リリィ……無事に門の中に忍び込めたら、そこでお別れしましょう。
あなたまで、危険な目に遭わせるワケにはいかない」
そっとリリィの首もとに抱き付き、すりすりと体を擦り寄せた。
だけど彼女は唇をへの字に曲げ、告げた。
「嫌よ。アンタみたいな阿呆で間抜けで愚かな小娘を、ひとりお城の中に置いてなんて、いけるはずがないでしょう?」
護衛の騎士も、そんなに配置しなくても良いのに!」
リリィの背中に乗り、到着した皇城の上空、ド真ん前。
ドラゴンのステルス機能を使っているため、皆こちらに気付く様子はないものの、勘の良い一部の騎士は何者かの気配を敏感に感じ取り、時折こちらに視線を向けるものだからまったくドキドキしないワケでもない。
これから侵入するつもりの、不審者側の人間である私からしたら、迷惑な話である。
「ホント、お馬鹿な子。
あれだけの大事件が起きた、直後なのよ?
これぐらいの警備、当たり前じゃない」
呆れたように、リリィも小声で返した。
いちいち嫌味な、ドラゴンである。
しかし確かに厳重な警備態勢も、当然の事だと言えよう。
だってつい先日、この国唯一の皇太子 エドワード様の婚約者であり、公爵家のご令嬢、レイチェル・ノンフォルク様が暗殺され掛けたばかりなのだ。
これで甘々ゆるゆる警備だったら、それこそ国民達が黙ってはいないだろう。
自分が事件の関係者でなければ、最推し令嬢のレイたんが殺されそうになっただなんて聞けば、苛め役令嬢Bことシルヴィアちゃんと共に、確実にデモを仕切っていたものと思われる。
「まぁ、良いわ。
リリィ……無事に門の中に忍び込めたら、そこでお別れしましょう。
あなたまで、危険な目に遭わせるワケにはいかない」
そっとリリィの首もとに抱き付き、すりすりと体を擦り寄せた。
だけど彼女は唇をへの字に曲げ、告げた。
「嫌よ。アンタみたいな阿呆で間抜けで愚かな小娘を、ひとりお城の中に置いてなんて、いけるはずがないでしょう?」
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