死亡フラグを回避しつつ、苛め役令嬢Bはツンデレが過ぎる悪役令嬢を全力で推していきたいと思います。

毒③

　確かにこの子の言う通り、私は何気に情報通である。
　だからと言っておいそれと、その内容を語る事は出来ないが。

「ところでその犯人は、もう捕まったのですか？」

　話題を変えるため、聞いた。
　しかしシルヴィアちゃんの答えを聞き、脳の機能が完全に停止してしまった。

「ええ。現時点では犯人ではなく、容疑者という扱いのようですけれど……。
　でも私は、真犯人は別にいると思っていますの。
　だって優しいアリシア様があんなにも恐ろしい真似を、レイチェル様に対してするはずが有りませんもの！」

　何……だと！？
　いったい何がどうなると、そんな展開を迎えるというのか？
　
　まさかとは思ったけれど、ホントにアリシアちゃんが容疑者として捕らえられてしまうだなんて……。
　　
「……もしかして、本当にご存知無かったのですか？」

　戸惑ったように、聞かれた。
　だから私は、素直に答えた。

「ええ……。レイチェル様がそんな目に遭った事も、アリシア様がそのような容疑を掛けられている事も」

　きっとアリシアちゃんは今、物語の中に出てきた、あの地下牢に囚われているに違いない。

　……ならば今の私に、出来る事は？

　考えろ！大好きな推し令嬢 レイたんと、大切なアリシアちゃんを守るために。
　このままレイたんとアリシアちゃんを失うだなんて、絶対に嫌。

　これまで起きた出来事と、これから起きるであろう事。
　それらを順に照らし合わせ、不自然な点を洗い出していけば、きっといずれはそれらは線となり、正解にたどり着けるはず。