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約束②
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すると彼女はふぅと小さく息を吐き、私から視線をそらす事無く、これまで見せた事が無いくらい真剣な表情で告げた。
「美里、これだけは言っとくな。
俺は絶対にお前を、元の世界に戻してやる。
......何があっても、お前だけは守ってみせるから」
ズッキューン!!
......ハートを、射抜かれました。
突然至近距離で美少女のキラキラ爆弾を被弾したため、はぁはぁと呼吸を乱して悶絶する私。
それを見て彼女は今度はプッと噴き出し、いつもみたいにワシワシと頭を撫でてくれた。
それから彼女は私の頬に手を添え、唇を近付けて来た。
これは、もしや......キスというヤツでは!?
くぅぅぅぅうっ、アリシアちゃんのさくらんぼみたいに可憐な唇、頂きます!!
受け入れ体勢を取るべくぎゅっと目を閉じたのだけれど、彼女の唇は私の口ではなく、頬に軽く触れただけだった。
「続きはあっちの世界に、戻ってからな?」
ニッと笑って今度は私の髪に触れ、毛先に口付けられた。
それがあまりにも照れ臭かったから、真っ赤であろう顔のまま、つい悪態を吐いてしまった。
「......アリシアちゃんの、チャラ男!!」
お腹を抱え、ゲラゲラと品無く笑うアリシアちゃん。
いつまでも爆笑し続ける彼女の事を、軽く睨み付けた。
アリシアちゃんを完全に信用して良いのかなんて、分からない。
だって彼女には、秘密が多過ぎる。
でも今ので、気付いてしまった。
私はやっぱり、アリシアちゃんの事が。
......ううん、優の事が、好きなんだ。
この世界から再び元の世界に戻れる日が来るのかなんて、正直分からない。
だけど、これだけは言える。
......彼女に出逢えて、本当に良かった。
「美里、これだけは言っとくな。
俺は絶対にお前を、元の世界に戻してやる。
......何があっても、お前だけは守ってみせるから」
ズッキューン!!
......ハートを、射抜かれました。
突然至近距離で美少女のキラキラ爆弾を被弾したため、はぁはぁと呼吸を乱して悶絶する私。
それを見て彼女は今度はプッと噴き出し、いつもみたいにワシワシと頭を撫でてくれた。
それから彼女は私の頬に手を添え、唇を近付けて来た。
これは、もしや......キスというヤツでは!?
くぅぅぅぅうっ、アリシアちゃんのさくらんぼみたいに可憐な唇、頂きます!!
受け入れ体勢を取るべくぎゅっと目を閉じたのだけれど、彼女の唇は私の口ではなく、頬に軽く触れただけだった。
「続きはあっちの世界に、戻ってからな?」
ニッと笑って今度は私の髪に触れ、毛先に口付けられた。
それがあまりにも照れ臭かったから、真っ赤であろう顔のまま、つい悪態を吐いてしまった。
「......アリシアちゃんの、チャラ男!!」
お腹を抱え、ゲラゲラと品無く笑うアリシアちゃん。
いつまでも爆笑し続ける彼女の事を、軽く睨み付けた。
アリシアちゃんを完全に信用して良いのかなんて、分からない。
だって彼女には、秘密が多過ぎる。
でも今ので、気付いてしまった。
私はやっぱり、アリシアちゃんの事が。
......ううん、優の事が、好きなんだ。
この世界から再び元の世界に戻れる日が来るのかなんて、正直分からない。
だけど、これだけは言える。
......彼女に出逢えて、本当に良かった。
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