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転生モノでは、無かった......だと?②

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 しかし私だけでなく、この人も本当にそう・・なのだとしたら。
 ラノベ等でよく見掛ける、死んで転生しちゃいました、てへ☆的なのとこの世界は違うということだろうか?

 っていうかさっきからアリシアちゃん、自分の事を俺って言っているけれど、まさか......。

 彼女の胸に両手を伸ばし、確認のためむんずと鷲掴みにした。
 うん......見た目通り控えめなサイズ感ではあるけれど、ちゃんと柔らかい。
 ナイス、ちっぱい!

 このラブリーチャーミーなご令嬢 アリシアちゃんがまさか男の娘だったらどうしようという不安は、そのマシュマロのような感触のおかげですぐに払拭された。
 しかし次の瞬間、彼女の白魚のような手で、割と強めにパカンと頭をはたかれた。

「やめろ、この変態痴女め!
 言っとくけど体はアリシアのもんだから、今は本物の女だよ。
 あと当然の事ながら、現実世界の俺に女装趣味はねぇ」

 仏頂面で、アリシアちゃん改め優が言った。
 いまいち状況が掴めず、また彼の顔をじっと見つめた。
 すると優はニッコリと優雅に微笑み、スカートの裾をついと摘まんで、綺麗な会釈をひとつした。

「と言うことで憑依者同士、これからよろしくお願いいたしますね?ヴァイオレット様。
 ......二人で生きて、現実の世界に戻るために」

 その言葉でようやく事態を把握し、ガバッと顔を上げた。

「ちょっと、待って。
 私達って、もしかして元の世界に戻れるの!?」

 私の問いに彼はクスリと笑い、答えた。

「んー、確証は無いんだけどね。
 ベストなエンディングに持ち込めたら、たぶん戻れるんじゃないかなと俺は踏んでる」

 小説を最後まで導いた後は、優雅で楽しい余生を送ってやろうと思っていたのだけれど。
 ......もしそうじゃないのであれば、やっぱり元の世界に帰りたい。

「そう......なんだ。良かったぁ......」

 彼の言葉で気が緩み、全身の力が一気に抜けた。
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