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最悪な展開
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下校途中、近道として時々通り抜けさせて頂く、神社の参道。
そこでたまたま見掛けたのは、前述の男...木内の姿だった。
何やら真剣な表情でぶつぶつと祈りを捧げ、神様に願い事をしているらしきコイツ。
意外なモノを見てしまった気はしたものの、関わり合いになるのが嫌で、気付かないふりをしてその場を去ろうとした。
なのにアイツは俺に気付くと、嬉しそうに子供みたいにニコッと笑った。
嫌われていると気付いていないのか、それとも気付いた上でなお、皆に好かれていたい等というある意味エゴイスティックな考えを持っているのか。
コイツはなぜかいつもいつも、俺に満面の笑みで寄ってくる。
なおも知らんぷりを決め込み、無視して通り過ぎようとする俺。
毎度のごとく、俺のあとを追おうとするアイツ。
「何だよ、お前...。
マジでキモいんだよ、ついて来んな、クソがっ!」
振り向き様に、叫んだ。
しかしそこで、事件が起きた。
...足がもつれ、石段を無様に転がり落ちたのだ。
しかもその際俺を助けようと慌てて手を伸ばした、木内の事まで巻き込んで。
これで俺が怪我をした、とかならまだいい。
...でも事態はもっと深刻で、それと同時にとてつもなくバカバカしいモノだった。
「おい、大丈夫かっ!?」
俺はどうやら気を失っていたみたいだけれど、慌てた様子で体を揺さぶりながら声を掛けられ、意識を取り戻した。
落ちて意識のない人間に、それはやめろ。
ったく、木内め。
...ホントどうしようもない、阿呆だな。
流石に巻き込んでしまった申し訳なさから、そんな事口には出来なかったけれど。
...あれ?
でもコイツの声って、こんなに高かったっけ?
「大丈夫...、ありがとう。
お前は、平気?」
ちょっと不思議に思いながらもそっと瞳を開けて、目の前の光景に愕然とした。
俺の体を抱き抱えるみたいにしているのは、俺自身で。
でもその顔はいつも鏡や写真なんかで見るモノとは異なり、なんだかよくわからない色気みたいなヤツが駄々漏れていた。
「えっ!?
...これ、どういう事だよっ!?」
「あー...。
なんか俺と大悟の体、入れ替わっちゃったみたい。」
ポリポリと頭を掻きながら、事も無げに俺が言う。
いやいや、ちょっと待てっ!
色々と、おかし過ぎるだろうがっ!
その場に座り込んだまま頭を抱え込む俺を見て、俺の姿をした木内が心配そうな声で聞いた。
「おい。大丈夫か、ホント...。
頭、痛いのか?」
「そういう問題じゃねぇよ。
...冗談じゃない、なんなんだこの状況。」
こんな事なら自分が大怪我でもした方が、よっぽどマシだ。
それに映画とかドラマを見る限り、こういう入れ替わりって普通、美少女との間に起こるからこそ、キャッキャウフフな展開が待っている訳で。
...なのになんでよりにもよって、大嫌いなこの男と。
何だこの、誰も得をしない状況はっ!!
何だよ、これ。
...マジで、最悪だ。
こうして俺の体は木内のモノに、木内の体は俺のモノになった。
...しかし本当に最悪といえる事がこの後起きるだなんて、この時の俺は全く気付いてはいなかった。
そこでたまたま見掛けたのは、前述の男...木内の姿だった。
何やら真剣な表情でぶつぶつと祈りを捧げ、神様に願い事をしているらしきコイツ。
意外なモノを見てしまった気はしたものの、関わり合いになるのが嫌で、気付かないふりをしてその場を去ろうとした。
なのにアイツは俺に気付くと、嬉しそうに子供みたいにニコッと笑った。
嫌われていると気付いていないのか、それとも気付いた上でなお、皆に好かれていたい等というある意味エゴイスティックな考えを持っているのか。
コイツはなぜかいつもいつも、俺に満面の笑みで寄ってくる。
なおも知らんぷりを決め込み、無視して通り過ぎようとする俺。
毎度のごとく、俺のあとを追おうとするアイツ。
「何だよ、お前...。
マジでキモいんだよ、ついて来んな、クソがっ!」
振り向き様に、叫んだ。
しかしそこで、事件が起きた。
...足がもつれ、石段を無様に転がり落ちたのだ。
しかもその際俺を助けようと慌てて手を伸ばした、木内の事まで巻き込んで。
これで俺が怪我をした、とかならまだいい。
...でも事態はもっと深刻で、それと同時にとてつもなくバカバカしいモノだった。
「おい、大丈夫かっ!?」
俺はどうやら気を失っていたみたいだけれど、慌てた様子で体を揺さぶりながら声を掛けられ、意識を取り戻した。
落ちて意識のない人間に、それはやめろ。
ったく、木内め。
...ホントどうしようもない、阿呆だな。
流石に巻き込んでしまった申し訳なさから、そんな事口には出来なかったけれど。
...あれ?
でもコイツの声って、こんなに高かったっけ?
「大丈夫...、ありがとう。
お前は、平気?」
ちょっと不思議に思いながらもそっと瞳を開けて、目の前の光景に愕然とした。
俺の体を抱き抱えるみたいにしているのは、俺自身で。
でもその顔はいつも鏡や写真なんかで見るモノとは異なり、なんだかよくわからない色気みたいなヤツが駄々漏れていた。
「えっ!?
...これ、どういう事だよっ!?」
「あー...。
なんか俺と大悟の体、入れ替わっちゃったみたい。」
ポリポリと頭を掻きながら、事も無げに俺が言う。
いやいや、ちょっと待てっ!
色々と、おかし過ぎるだろうがっ!
その場に座り込んだまま頭を抱え込む俺を見て、俺の姿をした木内が心配そうな声で聞いた。
「おい。大丈夫か、ホント...。
頭、痛いのか?」
「そういう問題じゃねぇよ。
...冗談じゃない、なんなんだこの状況。」
こんな事なら自分が大怪我でもした方が、よっぽどマシだ。
それに映画とかドラマを見る限り、こういう入れ替わりって普通、美少女との間に起こるからこそ、キャッキャウフフな展開が待っている訳で。
...なのになんでよりにもよって、大嫌いなこの男と。
何だこの、誰も得をしない状況はっ!!
何だよ、これ。
...マジで、最悪だ。
こうして俺の体は木内のモノに、木内の体は俺のモノになった。
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