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これを恋と、よんでいいなら 24
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「うん、知ってる。
だってお前、俺の事大大大っ好きだもんなぁ?」
ニヤニヤとゲスな笑みを浮かべたまま上目遣いで俺の顔を見上げて言われた言葉に、一瞬のうちに全身が真っ赤に染まるのを感じた。
ホント、この人は!
分かった上で聞かれたのだと気付き、それにちょっとムカついて、床に置かれていたクッションを彼に向かいぶん投げた。
***
皆が求める『明るくて元気なハラちゃん』でいなければと思うあまり、いつの間にか他人との間に見えない壁を作るようになっていた。
それこそ幼なじみでもある、陸斗との間にすらも。
だから俺はこれまで、親友のアイツにも、自分がゲイだと伝える事が出来なかった。
西園寺さんと出会う前であったとしても、そんな事で俺を避けるような男じゃないって、分かっていたはずなのに。
「二見さん、ありがとうございました。
俺ね、あなたに抱いて貰えて、スッゲェ幸せでした」
笑顔で素直に伝えたのに、何故か額を軽く小突かれた。
それに驚き、彼の顔を見下ろす。
すると二見さんは不機嫌全開って感じで俺を見上げ、唇を尖らせて言った。
「過去形で、言うな。
これからもっともっと、幸せにしてやんよ」
最初は単に、見た目で彼を好きになったのだと思っていた。
だけど、そうじゃなかった。
俺の本能が彼を愛し、求めたんだ。
この人なら、大丈夫。
ありのままの俺を、全部受け止めてくれるって。
「なら俺も二見さんの事、めちゃくちゃ幸せにしてあげますね」
へらへらと笑って言ったら、『ガキが、生意気言ってんじゃねぇよ』と罵倒された。
だけどプイと背けた彼の首もとがちょっぴり赤かったような気がしたのはきっと、気のせいなんかじゃなかったと思う。
【…Fin】
だってお前、俺の事大大大っ好きだもんなぁ?」
ニヤニヤとゲスな笑みを浮かべたまま上目遣いで俺の顔を見上げて言われた言葉に、一瞬のうちに全身が真っ赤に染まるのを感じた。
ホント、この人は!
分かった上で聞かれたのだと気付き、それにちょっとムカついて、床に置かれていたクッションを彼に向かいぶん投げた。
***
皆が求める『明るくて元気なハラちゃん』でいなければと思うあまり、いつの間にか他人との間に見えない壁を作るようになっていた。
それこそ幼なじみでもある、陸斗との間にすらも。
だから俺はこれまで、親友のアイツにも、自分がゲイだと伝える事が出来なかった。
西園寺さんと出会う前であったとしても、そんな事で俺を避けるような男じゃないって、分かっていたはずなのに。
「二見さん、ありがとうございました。
俺ね、あなたに抱いて貰えて、スッゲェ幸せでした」
笑顔で素直に伝えたのに、何故か額を軽く小突かれた。
それに驚き、彼の顔を見下ろす。
すると二見さんは不機嫌全開って感じで俺を見上げ、唇を尖らせて言った。
「過去形で、言うな。
これからもっともっと、幸せにしてやんよ」
最初は単に、見た目で彼を好きになったのだと思っていた。
だけど、そうじゃなかった。
俺の本能が彼を愛し、求めたんだ。
この人なら、大丈夫。
ありのままの俺を、全部受け止めてくれるって。
「なら俺も二見さんの事、めちゃくちゃ幸せにしてあげますね」
へらへらと笑って言ったら、『ガキが、生意気言ってんじゃねぇよ』と罵倒された。
だけどプイと背けた彼の首もとがちょっぴり赤かったような気がしたのはきっと、気のせいなんかじゃなかったと思う。
【…Fin】
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