その男、やっぱりストーカーにつき

ryon*

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これを恋と、よんでいいなら⑮

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 すると二見さんはまたまっすぐに俺の事を見上げ、ニヤリと悪戯っぽく笑って答えた。

「なんで、って……。
 原くん、俺の事めっちゃ好きじゃん」

 バレてた。……全部、バレてた!

 あまりにも恥ずかしくて、慌てて彼から逃げようとした。
 だけど逆にグッと強く抱き締められ、そのまままた軽く口付けられた。

「逃げんなって。もう、諦めろ。
 俺もお前の事、いいなってずっと思ってたし。
 だけど心配しなくても、今日は無理矢理抱いたりはしねぇから」

 ポスンと俺の胸に顔を埋め、言われた言葉。
 しかしその意味がまたしても理解出来ず、脳内で何度も反芻した。

「今日は?今日は、ってことは……えぇ!?」

 完全に脳がショートし、腰が抜けそうになった。
 そんな俺を見つめたまま、優しく支えながらククッと楽しそうに笑う二見さん。

「そう、今日は!
 っていうか俺は、俺だけを好きになってくれて、俺だけに抱かれたいって思ってくれるヤツとしか、やんねぇし」

 暗に尻軽と揶揄された気がして、グッと唇を噛み締めた。
 すると二見さんはちょっと不貞腐れたように唇を尖らせ、俺の前髪を軽くかきあげて今度は額に軽くキスを落とし、謝ってくれた。

「ごめん。……今のは、ただの意地悪。
 でもなんで、あんなヤツについてったの?
 たまたま俺らが通り掛かったから良かったけど、あのままだとお前、確実にアイツにヤられてたぞ?」

 変に誤解されたままなのは、嫌だった。
 だから迷いながらも、素直に伝えないとと思った。
 
「ゲイ向けの出会い系アプリで、知り合ったんっす。
 ……だから全部、分かった上でついてったんで」

 ボソボソと、小声で答える。

「はぁ!?なんだよ、それ……。
 せっかくこっちが恋愛初心者らしきお前に合わせて、ゆっくりコトを進めようとしてたのに」

 明らかに、呆れたような声。
 それに怯えて、そっと顔を見下ろした。
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