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ふたりきりの時間①
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「こんばんは、戻りました」
インターホンのボタンを押し、告げた。
するとガチャリとドアの鍵が開き、西園寺さんが顔を覗かせた。
「こんばんは、陸斗くん。お帰りなさい」
お帰りなさいという言葉がこんなにも嬉しいものだなんて、知らなかった。
満面の笑みを浮かべて言われ、僕も自然と笑顔になった。
夕飯の支度だけ終わらせて、タッパーに詰め替えて持参した手料理。
「少し冷めてしまったから、すぐに温め直しますね」
あらかじめふたり分の食器類も持ち込んでいたから、キッチンを借りて夕飯の準備を始めた。
すると背後から抱き締められ、耳元で囁かれた。
「ん……ありがと、陸斗くん。
久しぶりの君が作ってくれた食事、楽しみだよ」
ちゅっ、と首筋に唇を寄せられ、小さく体が震えた。
「どういたしまして。でも西園寺さんは、あっちで座って待っていて下さい!」
ソファーを指差して告げると、彼はつまらなさそうに唇を尖らせた。
こういう表情も可愛くて好きだけれど、このままではいつまで経っても夕飯にありつけない。
「良い子にしていたら、デザートもありますからね」
「陸斗くんの、手作り?」
じっと僕の顔を覗き込むようにして、聞かれた。
だからよしよしと頭を軽く撫で、子供に諭すように、手作りだと答えると彼は嬉しそうに笑って素直にその言葉に従った。
***
「ハンバーグのソースには、隠し味に梅酒を使ってみたんですが……どうでしょう?」
彼が一口食べるのを待ってから、聞いた。
すると彼はにっこりと笑い、答えてくれた。
「うん、美味しいよ。
ホント陸斗くんは、料理も上手だよね」
その言葉が嬉しくて、だらしなく緩む頬の筋肉。
いつも僕の事を、手放しで褒めてくれる西園寺さん。
それが以前は気恥ずかしくて、ちょっと苦手だったけれど、最近は素直に嬉しいと思えるようになった。
インターホンのボタンを押し、告げた。
するとガチャリとドアの鍵が開き、西園寺さんが顔を覗かせた。
「こんばんは、陸斗くん。お帰りなさい」
お帰りなさいという言葉がこんなにも嬉しいものだなんて、知らなかった。
満面の笑みを浮かべて言われ、僕も自然と笑顔になった。
夕飯の支度だけ終わらせて、タッパーに詰め替えて持参した手料理。
「少し冷めてしまったから、すぐに温め直しますね」
あらかじめふたり分の食器類も持ち込んでいたから、キッチンを借りて夕飯の準備を始めた。
すると背後から抱き締められ、耳元で囁かれた。
「ん……ありがと、陸斗くん。
久しぶりの君が作ってくれた食事、楽しみだよ」
ちゅっ、と首筋に唇を寄せられ、小さく体が震えた。
「どういたしまして。でも西園寺さんは、あっちで座って待っていて下さい!」
ソファーを指差して告げると、彼はつまらなさそうに唇を尖らせた。
こういう表情も可愛くて好きだけれど、このままではいつまで経っても夕飯にありつけない。
「良い子にしていたら、デザートもありますからね」
「陸斗くんの、手作り?」
じっと僕の顔を覗き込むようにして、聞かれた。
だからよしよしと頭を軽く撫で、子供に諭すように、手作りだと答えると彼は嬉しそうに笑って素直にその言葉に従った。
***
「ハンバーグのソースには、隠し味に梅酒を使ってみたんですが……どうでしょう?」
彼が一口食べるのを待ってから、聞いた。
すると彼はにっこりと笑い、答えてくれた。
「うん、美味しいよ。
ホント陸斗くんは、料理も上手だよね」
その言葉が嬉しくて、だらしなく緩む頬の筋肉。
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