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見逃したフラグ②
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***
「こんにちは、陸斗くん。
今日も、可愛いね!」
お昼時。にこにこ弁当に姿を見せた僕のストーカー、西園寺さん。
息をするようにキモい発言を続けるこの男は、僕が働いている大手お弁当屋さんの経営者一族のひとりであり、西園寺プレシャスグループの御曹司だ。
「こんにちは、西園寺さん。
あなたは今日も本当に、気持ちが悪いですね」
にっこりと微笑んでの、応酬。
つれないところも堪らないよなどと血迷った事を口走りながら息を乱して身悶えるその姿は、もはやただの変態にしか見えない。
下手したら、通報案件だ。
しかし実は僕とこの人は、およそ3ヶ月前からお付き合いをしていたりする。
正直多少早まったような気がしないでもないが、恋とは意図的にするものではなく堕ちるものだと、バイト仲間のハラちゃんも話していた。
だからこれは避けようのない、事故のようなものだったのかも知れない。
「あ、そうだ!
今日はちょっと仕事が早く終わりそうだから、帰りに夕飯でも一緒にどう?
陸斗くんも確か、6時上がりでしょ?」
キラキラと、まばゆい笑顔。
……やはり無駄に、顔がよい。
「良いですよ。では家族には、今日は遅くなると連絡しておきます。
でも、西園寺さん。……職権乱用して、僕の予定を把握するのはやめて下さいと、何度言えば分かって貰えますかね?」
相変わらず、教えたワケでもないのに完全に把握されているシフト。
やはり気持ち悪い事、この上ない。
ぴしゃりと冷たく言い放ってやったのに、後半の言葉はまるっとスルーされた。
「こんにちは、陸斗くん。
今日も、可愛いね!」
お昼時。にこにこ弁当に姿を見せた僕のストーカー、西園寺さん。
息をするようにキモい発言を続けるこの男は、僕が働いている大手お弁当屋さんの経営者一族のひとりであり、西園寺プレシャスグループの御曹司だ。
「こんにちは、西園寺さん。
あなたは今日も本当に、気持ちが悪いですね」
にっこりと微笑んでの、応酬。
つれないところも堪らないよなどと血迷った事を口走りながら息を乱して身悶えるその姿は、もはやただの変態にしか見えない。
下手したら、通報案件だ。
しかし実は僕とこの人は、およそ3ヶ月前からお付き合いをしていたりする。
正直多少早まったような気がしないでもないが、恋とは意図的にするものではなく堕ちるものだと、バイト仲間のハラちゃんも話していた。
だからこれは避けようのない、事故のようなものだったのかも知れない。
「あ、そうだ!
今日はちょっと仕事が早く終わりそうだから、帰りに夕飯でも一緒にどう?
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……やはり無駄に、顔がよい。
「良いですよ。では家族には、今日は遅くなると連絡しておきます。
でも、西園寺さん。……職権乱用して、僕の予定を把握するのはやめて下さいと、何度言えば分かって貰えますかね?」
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