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真の黒幕②
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玄関に並ぶ上品な印象のシンプルなベージュのパンプスと、男性ものの見慣れない少し小さめサイズの革靴。
こんな時間なのに、どうやら来客中のようだ。
蒼汰に言われるがまま物音を立てないように注意しながらそっと家の中に入ると、かなり酔っているのか、いつもより2オクターブくらい高い父親の声が聞こえてきた。
「それにしても、こんなに上手く行くとは思わなかったな。
これで俺も、もうすぐ花嫁の父かぁ......」
は?一体、何の話よ?
......私、結婚の予定どころか、今まで付き合った人すらいないですけど!?
何を勘違いしているのか知らないが、今すぐ突入して訂正せねば!
その考えが、そのまま顔に出ていたのだろう。
蒼汰はちょっと苦笑して私の手を取り、喋るんじゃないぞって感じで自身の口元に人差し指を当てた。
だから渋々大人しく、彼の隣で再びそっと聞き耳を立てた。
「そうね、矢崎さん。
本当に、長かったわね。
でもこれでようやく、私達の悲願が達成されるわ!」
今度は、女性のちょっと涙声が聞こえてきた。
だけどその声はウチの母親のモノではなかったから、先程玄関に並んでいた、あの靴の持ち主のものなのだろう。
それに続いたのは、呆れたような、ゲンナリしたような母親の声。
「あなた達、ホントいい加減にしておきなさいよ。
人の恋路を邪魔するヤツは、馬に蹴られて死んでも知らないからね」
邪魔をしているんじゃない、応援しているのだと、声高に叫ぶウチの父親。
そうだそうだと同調する、先程の女性の声。
......話が、まるで見えない。
玄関に並ぶ上品な印象のシンプルなベージュのパンプスと、男性ものの見慣れない少し小さめサイズの革靴。
こんな時間なのに、どうやら来客中のようだ。
蒼汰に言われるがまま物音を立てないように注意しながらそっと家の中に入ると、かなり酔っているのか、いつもより2オクターブくらい高い父親の声が聞こえてきた。
「それにしても、こんなに上手く行くとは思わなかったな。
これで俺も、もうすぐ花嫁の父かぁ......」
は?一体、何の話よ?
......私、結婚の予定どころか、今まで付き合った人すらいないですけど!?
何を勘違いしているのか知らないが、今すぐ突入して訂正せねば!
その考えが、そのまま顔に出ていたのだろう。
蒼汰はちょっと苦笑して私の手を取り、喋るんじゃないぞって感じで自身の口元に人差し指を当てた。
だから渋々大人しく、彼の隣で再びそっと聞き耳を立てた。
「そうね、矢崎さん。
本当に、長かったわね。
でもこれでようやく、私達の悲願が達成されるわ!」
今度は、女性のちょっと涙声が聞こえてきた。
だけどその声はウチの母親のモノではなかったから、先程玄関に並んでいた、あの靴の持ち主のものなのだろう。
それに続いたのは、呆れたような、ゲンナリしたような母親の声。
「あなた達、ホントいい加減にしておきなさいよ。
人の恋路を邪魔するヤツは、馬に蹴られて死んでも知らないからね」
邪魔をしているんじゃない、応援しているのだと、声高に叫ぶウチの父親。
そうだそうだと同調する、先程の女性の声。
......話が、まるで見えない。
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