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罰②
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「それって、矢崎のおじさん?」
私の顎を指先で持ち上げるようにして視線を合わせ、じっと探るみたいに見つめる蒼汰のガラス玉みたいに綺麗な褐色の瞳。
でもそこには、何の感情も宿っていないように見えた。
「答えろよ、カヲル。
......じゃないと無理矢理、最後までヤるよ?」
さっきまで顎先にあった指が私の口元に移動してきて、唇をスッと撫でた。
目を閉じる事も、そらす事も出来ないまま、ただぼんやりと彼の人形みたいに整った顔を見つめた。
「何を、言われた?
経営が傾いてるとでも、言われたのか?
それとももっと直接的に、ウチの情報を盗んで来てくれって、泣き付かれた?」
太ももを撫でられ、再び胸を弄ばれると、体は嫌でも反応を返してしまう。
だけどこれ以上好きにされるのは絶対に嫌だったから、唇に触れていた指先に噛み付いた。
「......いってぇな、ホント負けん気強過ぎだろ。
そういうところ嫌いじゃないけど、商売道具の手だけはやめろ」
くくっと楽しそうに笑い、再びキスで唇を塞がれた。
そしてこの時になって、ようやく気付いた。
......私はこの男の事が、今でもずっと好きだったのだと。
たぶんこうやって聞いてくるという事は、彼はほぼ矢崎カンパニーの内情を既に把握済みという事だろう。
これ以上言い逃れをしたところで、きっと何の意味もない。
だったら、せめて。
......天敵であるこの男にだけは、私の気持ちを知られたくない。
「今さらそんなの、どうだって良いじゃない。
どっちにしてもお人好しの蒼汰とおじさんは、私に全部教えてくれるつもりだったんでしょう?」
感情を隠し、私もニヤリと笑って答えた。
私の顎を指先で持ち上げるようにして視線を合わせ、じっと探るみたいに見つめる蒼汰のガラス玉みたいに綺麗な褐色の瞳。
でもそこには、何の感情も宿っていないように見えた。
「答えろよ、カヲル。
......じゃないと無理矢理、最後までヤるよ?」
さっきまで顎先にあった指が私の口元に移動してきて、唇をスッと撫でた。
目を閉じる事も、そらす事も出来ないまま、ただぼんやりと彼の人形みたいに整った顔を見つめた。
「何を、言われた?
経営が傾いてるとでも、言われたのか?
それとももっと直接的に、ウチの情報を盗んで来てくれって、泣き付かれた?」
太ももを撫でられ、再び胸を弄ばれると、体は嫌でも反応を返してしまう。
だけどこれ以上好きにされるのは絶対に嫌だったから、唇に触れていた指先に噛み付いた。
「......いってぇな、ホント負けん気強過ぎだろ。
そういうところ嫌いじゃないけど、商売道具の手だけはやめろ」
くくっと楽しそうに笑い、再びキスで唇を塞がれた。
そしてこの時になって、ようやく気付いた。
......私はこの男の事が、今でもずっと好きだったのだと。
たぶんこうやって聞いてくるという事は、彼はほぼ矢崎カンパニーの内情を既に把握済みという事だろう。
これ以上言い逃れをしたところで、きっと何の意味もない。
だったら、せめて。
......天敵であるこの男にだけは、私の気持ちを知られたくない。
「今さらそんなの、どうだって良いじゃない。
どっちにしてもお人好しの蒼汰とおじさんは、私に全部教えてくれるつもりだったんでしょう?」
感情を隠し、私もニヤリと笑って答えた。
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