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猫の手も、借りたい⑤
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それから俺は彼女の頬に手を添えて、唇に触れるだけのキスをした。
だけどたぶんその指先は、情けない事に少し震えていたように思う。
「大好きなんです、あなたの事が。
......お願いだから、帰るなんて言わないで」
必死の想いで、懇願した。
すると彼女はクスリと笑い、答えてくれた。
「そんなに真剣に、ならないで下さい。
じゃあ今夜はこのまま、泊めて貰っちゃいますね」
望んだ答えが得られたというのに、それにまた激しく狼狽える俺。
こんな展開、正太郎を飲みに誘った時はまるで想定していなかったから、どうしたら良いか全く分からない。
それに、そうだよ!
女の子が泊まるのであれば、いる物が色々あるよな。
「とはいえ女性を泊めた事って、これまで全く無くて。
何か必要な物とかあれば、言って下さい。
俺、買ってきますから」
近所のドラッグストアに行けば、ある程度必要なモノは手に入るはずだ。
パジャマはちょっと大きいかも知れないが、俺の普段着ているヤツで我慢して貰おう。
っていうか完全にオーバーサイズな俺のパジャマに身を包む、咲良さん。
......想像しただけで、めちゃくちゃ萌える。絶対、可愛い!
そんな風にろくでもない妄想に脳内を占拠されていたら、彼女は言った。
「大丈夫ですよ。いつも持ち歩いてるのが、あるから」
なるほど。ならとりあえず、大丈夫か。
でも、駄目だ!必要なモノ、他にもあるじゃん!
「でも、あの......うちに泊まって頂くのであれば、避妊具とかも必要だと思うので」
ごにょごにょと、小さな声で告げた。
だけど彼女はちょっと視線をさまよわせ、苦笑しながら言った。
「......それも、ありますよ」
なんだ、そっか。良かった。
......いや、やっぱり全然良くない!
だけどたぶんその指先は、情けない事に少し震えていたように思う。
「大好きなんです、あなたの事が。
......お願いだから、帰るなんて言わないで」
必死の想いで、懇願した。
すると彼女はクスリと笑い、答えてくれた。
「そんなに真剣に、ならないで下さい。
じゃあ今夜はこのまま、泊めて貰っちゃいますね」
望んだ答えが得られたというのに、それにまた激しく狼狽える俺。
こんな展開、正太郎を飲みに誘った時はまるで想定していなかったから、どうしたら良いか全く分からない。
それに、そうだよ!
女の子が泊まるのであれば、いる物が色々あるよな。
「とはいえ女性を泊めた事って、これまで全く無くて。
何か必要な物とかあれば、言って下さい。
俺、買ってきますから」
近所のドラッグストアに行けば、ある程度必要なモノは手に入るはずだ。
パジャマはちょっと大きいかも知れないが、俺の普段着ているヤツで我慢して貰おう。
っていうか完全にオーバーサイズな俺のパジャマに身を包む、咲良さん。
......想像しただけで、めちゃくちゃ萌える。絶対、可愛い!
そんな風にろくでもない妄想に脳内を占拠されていたら、彼女は言った。
「大丈夫ですよ。いつも持ち歩いてるのが、あるから」
なるほど。ならとりあえず、大丈夫か。
でも、駄目だ!必要なモノ、他にもあるじゃん!
「でも、あの......うちに泊まって頂くのであれば、避妊具とかも必要だと思うので」
ごにょごにょと、小さな声で告げた。
だけど彼女はちょっと視線をさまよわせ、苦笑しながら言った。
「......それも、ありますよ」
なんだ、そっか。良かった。
......いや、やっぱり全然良くない!
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