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二人だけの時間⑤
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しかし俺は今夜、一目見て彼女が憧れの女性 咲良さんだと気付いた。
でもどれくらいの間俺があなたに恋い焦がれていたか知らないこの人からしてみたら、これも当然の反応なのかも知れない。
......だけど。
「逆に、聞きますけど。
初対面の女性をホイホイ家に招き入れるような、チャラい男に俺、見えます?」
グッと返答に詰まる、彼女を前に。
......やっぱりそう思われていたのかと思うと、情けなくなる。
つい子供みたいに唇を尖らせて、テーブルに伏せるようにして上目遣いに彼女を見上げ、言った。
「......見えてたって、事ですね。
ショックです。俺、相手が咲良さんだったから、勇気出して誘ったのに」
すると彼女は、またしても驚いたように瞳を大きく見開いた。
あぁ、しまった!やらかした!
いきなりの名前呼びに、気分を悪くしたのかも知れない。
どうしよう?こんな時、世間の男共は、どうやって切り抜ける?
そこでふと、頭に浮かんだのは。
......これまで何度も話題にしてきた、子猫のサクラの事だった。
遅くなる時や泊まりの日は実家に預けているし、きっとサクラはもう眠っている頃だろう。
でも、仕方ない。
動物を利用するのは卑怯な戦法かも知れないが、このまま終わらせるワケにはいかないのだ。
激しく動揺しながらもふらふらと立ち上がり、部屋を出て。
そのまま実家に行き、こっそりサクラを連れ出した。
「にゃぁ......」
寝惚け眼で、抱き抱えられたまま迷惑そうに俺を見上げるサクラ。
「ごめんな、サクラ。寝てたのに。
......駄目な俺に、力を貸して」
「にゃぁ!」
言葉の意味が、分かったのだろうか?
サクラはパチリと大きく瞳を開けて、俺の手からスルリと床に降りると、自分に任せておけとでも言いたげに今度はさっきよりも力強く一声鳴いた。
でもどれくらいの間俺があなたに恋い焦がれていたか知らないこの人からしてみたら、これも当然の反応なのかも知れない。
......だけど。
「逆に、聞きますけど。
初対面の女性をホイホイ家に招き入れるような、チャラい男に俺、見えます?」
グッと返答に詰まる、彼女を前に。
......やっぱりそう思われていたのかと思うと、情けなくなる。
つい子供みたいに唇を尖らせて、テーブルに伏せるようにして上目遣いに彼女を見上げ、言った。
「......見えてたって、事ですね。
ショックです。俺、相手が咲良さんだったから、勇気出して誘ったのに」
すると彼女は、またしても驚いたように瞳を大きく見開いた。
あぁ、しまった!やらかした!
いきなりの名前呼びに、気分を悪くしたのかも知れない。
どうしよう?こんな時、世間の男共は、どうやって切り抜ける?
そこでふと、頭に浮かんだのは。
......これまで何度も話題にしてきた、子猫のサクラの事だった。
遅くなる時や泊まりの日は実家に預けているし、きっとサクラはもう眠っている頃だろう。
でも、仕方ない。
動物を利用するのは卑怯な戦法かも知れないが、このまま終わらせるワケにはいかないのだ。
激しく動揺しながらもふらふらと立ち上がり、部屋を出て。
そのまま実家に行き、こっそりサクラを連れ出した。
「にゃぁ......」
寝惚け眼で、抱き抱えられたまま迷惑そうに俺を見上げるサクラ。
「ごめんな、サクラ。寝てたのに。
......駄目な俺に、力を貸して」
「にゃぁ!」
言葉の意味が、分かったのだろうか?
サクラはパチリと大きく瞳を開けて、俺の手からスルリと床に降りると、自分に任せておけとでも言いたげに今度はさっきよりも力強く一声鳴いた。
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