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二人だけの時間②
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......嘘だろ。これ全部、俺の妄想じゃ無いよな?
こっそりと、頬をつねってみる。
うん、痛い。これ、現実だ!
「良いんですか?」
思わず反射的に、聞き返してしまった。
そういうところが女慣れしていない感じがするのだと、正太郎がまだこの場にいたら、きっと馬鹿にされたに違いないけれど。
「勿論。嫌だったら、誘いませんから」
クスリと笑って、言われた。
「ありがとうございます。
でも、そうだなぁ......。
ここからだとたぶん俺の家の方が近いと思うんで、うちにしませんか?
貰い物だけど、美味しいワインとつまみもあるので」
下心がまるで無いと言えば、嘘になる。
だけどそれ以上に、まだ彼女と一緒に居られるのだと思うと、単純に嬉しかった。
***
駅前にあるそのバーから、俺の住むマンションは本当にすぐの所にある。
カードキーで解錠し、部屋のドアを開けると俺は、内心めちゃくちゃドキドキしながらもにっこりと微笑んだ。
「どうぞ。とは言え今日は来客を想定して無かったから、ちょっと散らかってるけど」
そんな風に答えはしたが、見苦しいほど散らかってはいないはずだ。
そうは思うものの、身内以外の女性をこの部屋に招き入れるのは、はじめての経験である。
グラビアアイドルの女の子や女優さんに、家に遊びに行きたいと媚びた声で言われた経験は何度もあるが、これまで丁重にすべてお断りしてきた。
......こんな事ならば正太郎かJOKERのメンバーに、女子受けしそうなネタを色々聞いておけば良かったな。
「あまりキョロキョロ、しないで下さいよ。
なんか、恥ずかしい」
変な物は置いていないと思うものの、なにぶん男の一人暮らしの部屋である。
......本当に、大丈夫だよな?
こっそりと、頬をつねってみる。
うん、痛い。これ、現実だ!
「良いんですか?」
思わず反射的に、聞き返してしまった。
そういうところが女慣れしていない感じがするのだと、正太郎がまだこの場にいたら、きっと馬鹿にされたに違いないけれど。
「勿論。嫌だったら、誘いませんから」
クスリと笑って、言われた。
「ありがとうございます。
でも、そうだなぁ......。
ここからだとたぶん俺の家の方が近いと思うんで、うちにしませんか?
貰い物だけど、美味しいワインとつまみもあるので」
下心がまるで無いと言えば、嘘になる。
だけどそれ以上に、まだ彼女と一緒に居られるのだと思うと、単純に嬉しかった。
***
駅前にあるそのバーから、俺の住むマンションは本当にすぐの所にある。
カードキーで解錠し、部屋のドアを開けると俺は、内心めちゃくちゃドキドキしながらもにっこりと微笑んだ。
「どうぞ。とは言え今日は来客を想定して無かったから、ちょっと散らかってるけど」
そんな風に答えはしたが、見苦しいほど散らかってはいないはずだ。
そうは思うものの、身内以外の女性をこの部屋に招き入れるのは、はじめての経験である。
グラビアアイドルの女の子や女優さんに、家に遊びに行きたいと媚びた声で言われた経験は何度もあるが、これまで丁重にすべてお断りしてきた。
......こんな事ならば正太郎かJOKERのメンバーに、女子受けしそうなネタを色々聞いておけば良かったな。
「あまりキョロキョロ、しないで下さいよ。
なんか、恥ずかしい」
変な物は置いていないと思うものの、なにぶん男の一人暮らしの部屋である。
......本当に、大丈夫だよな?
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