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秘密②
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***
自宅近所にある、友達の両親が経営する居酒屋にて。
店員の五十嵐 咲良さんが俺に向かい、屈託の無い笑みを浮かべて聞いた。
「いらっしゃいませ。
猫ちゃん、食欲出てきましたか?」
「はい、お陰様で!
分けてくれたペットフード、気に入ったみたいなので俺も、同じ物を買いました」
雨の日に段ボール箱に入れられ、捨てられているところにたまたま通り掛かり、どうしても放ってはおけず飼う事に決めたハチワレ模様がかわいらしい子猫。
前回来店時、俺が用意した餌をあまり食べてくれないのだと世間話のついでに猫好きの咲良さんに相談したら、ちょうど今日店に来る前に実家で飼っている子猫用に買ったのがあるのでそれを少し試してみないかと、申し出てくれた。
そしてそのお言葉に甘え、キャットフードを分けて貰ったのだ。
実は俺はかなり前から、この女性の事が気になっていた。
......ほとんど化粧っけのない彼女の、無邪気な子供みたいな笑顔がぶっちゃけ好き。
居酒屋のバイト店員である咲良さんに絶賛片思い中等というのは間違いなく、抱かれたい男No.1の称号を持つ俺にはふさわしくない事だと思う。
......しかもいまだに連絡先を聞く事も、食事に誘う事も出来ないでいるとか。
視線を感じてふと店の奥に目をやると、この店の店長のひとり息子であり俺の悪友 正太郎が、なんかもっと話し掛けろとでも言いたげに拳をぐっと突き上げるのが視界の端に写った。
......確かにこれって、チャンスだよな。
だから内心ドキドキしながらものそのそとリュックの中を漁り、スマホを取り出した。
そして画面をタップしてアルバムを表示させると、彼女に向かい差し出した。
自宅近所にある、友達の両親が経営する居酒屋にて。
店員の五十嵐 咲良さんが俺に向かい、屈託の無い笑みを浮かべて聞いた。
「いらっしゃいませ。
猫ちゃん、食欲出てきましたか?」
「はい、お陰様で!
分けてくれたペットフード、気に入ったみたいなので俺も、同じ物を買いました」
雨の日に段ボール箱に入れられ、捨てられているところにたまたま通り掛かり、どうしても放ってはおけず飼う事に決めたハチワレ模様がかわいらしい子猫。
前回来店時、俺が用意した餌をあまり食べてくれないのだと世間話のついでに猫好きの咲良さんに相談したら、ちょうど今日店に来る前に実家で飼っている子猫用に買ったのがあるのでそれを少し試してみないかと、申し出てくれた。
そしてそのお言葉に甘え、キャットフードを分けて貰ったのだ。
実は俺はかなり前から、この女性の事が気になっていた。
......ほとんど化粧っけのない彼女の、無邪気な子供みたいな笑顔がぶっちゃけ好き。
居酒屋のバイト店員である咲良さんに絶賛片思い中等というのは間違いなく、抱かれたい男No.1の称号を持つ俺にはふさわしくない事だと思う。
......しかもいまだに連絡先を聞く事も、食事に誘う事も出来ないでいるとか。
視線を感じてふと店の奥に目をやると、この店の店長のひとり息子であり俺の悪友 正太郎が、なんかもっと話し掛けろとでも言いたげに拳をぐっと突き上げるのが視界の端に写った。
......確かにこれって、チャンスだよな。
だから内心ドキドキしながらものそのそとリュックの中を漁り、スマホを取り出した。
そして画面をタップしてアルバムを表示させると、彼女に向かい差し出した。
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