インキュバスの餌、始めました。

ryon*

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需要と供給①

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「おはよう、鈴木くん!」

 その、翌朝。
 天使みたいに愛らしい声で、高橋が俺の事を起こした。

「ん......、おはよ。
 ってお前、朝から何してんだよ...っ!?」

 彼が朝の、挨拶をした場所。
 それが、問題なのである。

 ......何でコイツ、股間に顔を埋めながら、爽やかに言ってるんだ。

「何って......朝食?」
 
 ペロリと舌舐りをして、こてんと首を傾げる、ルームメイトのインキュバス。
 ......やっぱエロ過ぎんだろ、コイツ。

「あは......もう我慢汁が出てきた。
 時間がないから、今は上のお口で頂きまーす!」

 なんつー事を言うのだ、ホント。
 でも寝起きを襲われたモノだから、抵抗する余裕もないまま、与えられる刺激に溺れた。

「ん......っ、高橋、待てって......っ!
 くぅ......っ!」

 口先だけの、抵抗。
 彼から分泌される唾液は、キスだけじゃなく他から摂取してもアウトなようだ。

 ヤバい、こんなの......絶対に、癖になる。
 てかもうこれ、手遅れかも。
 このド淫乱の、くそビッチモンスターがっ!!

 ぁ......でも、気持ちい......。

 彼の後頭部を手のひらで押さえ付け、少し乱暴に揺らす。
 でも高橋はそれすらも余裕な感じで受け入れ、軽く先端に吸い付いた。

 ガクンと大きく、体が弓形にしなる。
 そして吐き出された、俺の精液。
 
 それをゴクンと飲み干して、淫魔は口元を指先で軽く拭い、嬉しそうに言った。

「ご馳走さまでした。
 また夜も、よろしくね」

 欲望を満たしたからか、魔物の本性はすっかりなりを潜め、天使の如く無垢な笑顔を浮かべるインキュバス。
 しかもちゅっと音を立て、頬にキスをするなんていうオプション付き。

 ......くそ、ズル過ぎる。
 
 朝一で貪られたせいで、ちょっと気だるくて、ベッドの上で脱力する俺。
 そんな俺を立ち上がって見下ろして、スッゲェ普通のテンションで言われた。

「ほら、もう起きないと!
 朝ご飯、鈴木くんも食べなくちゃ力が出ないよ?」

 いったい、誰のせいだと!!
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