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第2章 マジックフェスティバル
【74話】 黒き鎧と灰色の刀
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漆黒の鎧を全身に纏った男を見ている。
先程とは違う雰囲気、魔力量。間違いなくこの男は本気を出してきたのだろう。
圧倒的な魔力量の差に腰が引ける。
けれど、臆している場合じゃない。
まずは様子見だ。
2つの短剣をクラックに投げつけ、陽動しながらクラックに攻撃を仕掛けに行った。
しかし
「ふんっ!!」
クラックが剣を振り下ろした。
振り下ろした瞬間、衝撃波が辺りに走り投げつけていた短剣が吹き飛ばされた。
吹き飛ばされた短剣に気を取られた次の瞬間、目の前には黒い壁が迫ってきていた。
しかし一瞬で気がついた。
これは壁ではなく、クラックの持ってた黒い盾なのだと。
気づいた時には時すでに遅し、体が浮いたと思った次の瞬間には背中に激しい痛みが襲ってきて右半分が真っ赤に染まる。
何が起こった……?
後ろには壁、そして額からは血が流れて右目にかかる。
どうやらあの黒い盾に後ろの壁まで叩きつけられたようだ。
しかしこんなところで暇してる場合じゃない。何故ならクラックが追撃で剣を振り下ろそうとしているからだ。
距離は充分離れてはいるが、さっき剣を振り下ろした時の衝撃波を見ていたから俺は痛む体を無理にでも動かして横へと避けた。
体が痛む中振り返ってさっきまで俺がいた場所を見ると、そこには大きな斬撃の後が残っていた。
「ははっ冗談キツイぜ。」
苦笑いをしつつも立ち上がりまたクラックへと立ち向かっていく。
吹き飛ばされていたジン器を3つとも手に揃え。
「接続」
そう唱えて短剣だった弓を構える。
矢は魔力で出来たもの 放つ矢は拡散 クラックの鎧全体に向かい放つ。
放たれた矢は真っ直ぐクラックへと向かい鎧に直撃する。
しかし無傷、ダメージは無いようだ。
オマケにまた剣を振り下ろしてくる。しかも今度のはさっきのより速く、直撃こそ回避は出来たが斬撃の衝撃で吹き飛ばされて地面に落ちる。
意識が朦朧としてくる。
相手は強い、と諦めの意識が芽生えてき出す。
けれども……
「まだ……だ」
俺の体は立ち上がっていた。
諦めの意識があっても、俺は……ただ……
─あの強い好敵手に負けたくないんだ─
弓と矢を手に持つ。
もう後の事はどうなってもいい。
クラックにさえ勝てれば、腕の1本や2本どうって事ない!!
「接……続!!」
そう唱えた瞬間弓と矢が輝き1つになる。
そこに現れしは俺のジン器最後の形態、刀。
しかしこれを呼び出したという事は。
「グッッ!!」
刀を持つ右手が焼けるように熱くなる。
最初に使った時、無我夢中で原因がわからなかった。
だけども、今ならこの原因がわかる。
刀を持つ手に刀から出てくる膨大な魔力が溜まっていたのだ。
だからどうすればいいかわかっている。
俺はこの魔力量赤相当の魔力を手から全身へと巡らせる。
一歩間違えれば体の血管、細胞がズタズタになりかねない危険な手段だった。
だがしかし……
─力を恐るな─
その言葉を思い出す。
あぁ、恐れないさ。
俺はこの力と共に進んでいく。
だから……俺に力を!!
優斗から膨大な魔力が解き放たれる。
それはクラックにも匹敵する魔力量。
そして接続が終わって優斗のジン器である灰色の刀が姿を現す。
そして優斗は灰刀を構えて、黒い鎧を纏ったクラックと対面する。
ここからが本当の勝負の始まりだ。
先程とは違う雰囲気、魔力量。間違いなくこの男は本気を出してきたのだろう。
圧倒的な魔力量の差に腰が引ける。
けれど、臆している場合じゃない。
まずは様子見だ。
2つの短剣をクラックに投げつけ、陽動しながらクラックに攻撃を仕掛けに行った。
しかし
「ふんっ!!」
クラックが剣を振り下ろした。
振り下ろした瞬間、衝撃波が辺りに走り投げつけていた短剣が吹き飛ばされた。
吹き飛ばされた短剣に気を取られた次の瞬間、目の前には黒い壁が迫ってきていた。
しかし一瞬で気がついた。
これは壁ではなく、クラックの持ってた黒い盾なのだと。
気づいた時には時すでに遅し、体が浮いたと思った次の瞬間には背中に激しい痛みが襲ってきて右半分が真っ赤に染まる。
何が起こった……?
後ろには壁、そして額からは血が流れて右目にかかる。
どうやらあの黒い盾に後ろの壁まで叩きつけられたようだ。
しかしこんなところで暇してる場合じゃない。何故ならクラックが追撃で剣を振り下ろそうとしているからだ。
距離は充分離れてはいるが、さっき剣を振り下ろした時の衝撃波を見ていたから俺は痛む体を無理にでも動かして横へと避けた。
体が痛む中振り返ってさっきまで俺がいた場所を見ると、そこには大きな斬撃の後が残っていた。
「ははっ冗談キツイぜ。」
苦笑いをしつつも立ち上がりまたクラックへと立ち向かっていく。
吹き飛ばされていたジン器を3つとも手に揃え。
「接続」
そう唱えて短剣だった弓を構える。
矢は魔力で出来たもの 放つ矢は拡散 クラックの鎧全体に向かい放つ。
放たれた矢は真っ直ぐクラックへと向かい鎧に直撃する。
しかし無傷、ダメージは無いようだ。
オマケにまた剣を振り下ろしてくる。しかも今度のはさっきのより速く、直撃こそ回避は出来たが斬撃の衝撃で吹き飛ばされて地面に落ちる。
意識が朦朧としてくる。
相手は強い、と諦めの意識が芽生えてき出す。
けれども……
「まだ……だ」
俺の体は立ち上がっていた。
諦めの意識があっても、俺は……ただ……
─あの強い好敵手に負けたくないんだ─
弓と矢を手に持つ。
もう後の事はどうなってもいい。
クラックにさえ勝てれば、腕の1本や2本どうって事ない!!
「接……続!!」
そう唱えた瞬間弓と矢が輝き1つになる。
そこに現れしは俺のジン器最後の形態、刀。
しかしこれを呼び出したという事は。
「グッッ!!」
刀を持つ右手が焼けるように熱くなる。
最初に使った時、無我夢中で原因がわからなかった。
だけども、今ならこの原因がわかる。
刀を持つ手に刀から出てくる膨大な魔力が溜まっていたのだ。
だからどうすればいいかわかっている。
俺はこの魔力量赤相当の魔力を手から全身へと巡らせる。
一歩間違えれば体の血管、細胞がズタズタになりかねない危険な手段だった。
だがしかし……
─力を恐るな─
その言葉を思い出す。
あぁ、恐れないさ。
俺はこの力と共に進んでいく。
だから……俺に力を!!
優斗から膨大な魔力が解き放たれる。
それはクラックにも匹敵する魔力量。
そして接続が終わって優斗のジン器である灰色の刀が姿を現す。
そして優斗は灰刀を構えて、黒い鎧を纏ったクラックと対面する。
ここからが本当の勝負の始まりだ。
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