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第2章 マジックフェスティバル
【53話】 暗がりに差し込む光
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2回戦目が始まる前まで時は戻る。
会場のとある密室でレイナは目を覚ますところからだ。
私は目を覚ました。
私がいるのは長細い部屋 私の反対側である向こう側の右方向には出口と思われる扉が見えた。
そして私の目の前にいる2人の男にも気が付いた。私の事を見てニタニタと気味の悪い顔をしていた。
今現在私は両手を後ろの鉄柱に拘束されている状態だった。特に衣服等の乱れは感じられなかった。
「あ、あなたたちはいったいだれ!?なんでこんなことを……」
私は目の前にいる男達に向かって問いただした。今の状況に恐怖を感じ体を震わせながら。
昨日 私は彼に"明日の朝会場に来てくれ"と呼び出されて。会場に着くと後ろから誰かに襲われて目が覚めたらこの状況だった。
今思えばあの時の彼の声は魔法で偽装されたものなのだろう。
「いやなに、君には試合が終わるまでここにいてもらいたいんだよ。そしたら記憶を消して解放してあげるからさ。
でもまぁ、少しくらいは楽しませてもらうけどね。」
───!!
男の下卑た声 私の身体を舐め回すように見ているニヤらしい目。2人の男が私に気味の悪い感情を向けてきた。
「それじゃあ起きた事だし、お手付きといきましょうかね!!」
さらに男が手を私に近づけてくる。
その手はいやらしい動きをしており 私になにをしてくるかなんて嫌でも想像がついてしまう。
そんなのはいやだ。
私は思い切って 拘束されていない脚で手を近づけてくる男を思いっきり蹴った。
「いっって!!」
蹴りは男の足に見事に命中して男は痛みで私から少し遠ざかった。
どうだ!私だってやれば出来るんだ!!
と心の中で少し自慢してみる。
けれども現実はそう甘くはなく。
「このクソ女ァ!!」
腹部に痛みが走る。
「ごっ……」
蹴られた事で逆上した男が私のお腹に向かって殴ってきたのだ。
それから何発か体の至る所を殴られる。
もう1人の男はただその光景を見ているだけだった。
「はっーはっー……もういいやるぞ。」
殴るのをやめた男が刃物を取り出す。
「ん?いいのか勝手にこんな事。」
見ていた男が反応した。
「別にいいだろ?俺たちはアイツにここまで従わされるなんて嫌だぜ。」
何か会話をしている。私はおとこが取り出した刃物を見ている。
いったいその刃物でなにをするというのだろうか。私の事でも殺そうとでもいうのだろうか。
そんな不安が脳内をよぎる。
嫌だ 嫌だ 嫌だ
まだ私は。
「まぁいいか。そのかわり俺にもやられてくれよ。」
どうやら話し合いは終わったみたいだ。
2人して私に近づく。脚でまた男達を蹴る事も出来るのだろうか 抵抗してまたさっきと同じような目に遭うのが怖くてなにも出来なかった。
「おら、下手に動くなよ。もしかしたら服ごとその白い肌が切れちまうかもしんねぇからよ。」
男がニヤケながら刃物を私の服に当てる。
……あぁそういうことか。
これからわたしがされる事を察する。
もう抵抗する意思も 逃げ出せる希望もない。
刃物が少しずつ私の服を切ろうとする。
もうダメなんだ 私はもう……。
諦めの考えで頭の中がいっぱいになる。
けれどその中でも諦めとは違う考えがあった。
──助けて。
彼の顔を思い浮かべる。
いつでも私の事を助けてくれる人 私の心の支えになってくれてる人。
私の特別な人。
こんな時でも助けれくれると信じるなんて私ってほんとバ……
男が服を切り裂こうとした瞬間だった。
私から見て奥にあった扉が大きな音を立て倒れ外の光が部屋に入り込む。
扉を壊した本人が部屋に入ってくる。
その人は ユート だった。
ユートは私の方を見る。ユートは私が殴られたと思われる傷が目に入った。
「……てめぇら」
ユートの声は今まで聞いたことがない冷たくそして憤怒の感情が詰め込まれていた。
「な、なんでお前がここに!?」
ユートを見た男は驚いていた。どうやらここが見つからないという自信があったのだろう。
「そりゃ立ち入り禁止の場所に人の反応が3つもありましたからね。結構すぐわかった」
ひょこっと誰が顔を出して説明する。
いったい彼は誰なのだろう?
「お前ら、覚悟はいいか?」
ユートは静かに 怒りのこもった声で男2人に威嚇をしながら近づいてくる。
「そ、それ以上近づいて来やがれ!こいつがどうn……」
私を人質にしようとして刃物を突き付けようとした男の言葉は最後まで言わされる事はなかった。
ゴッッ!
鈍い音と共に私を人質にしようとした男が倒れていた。
彼の直近にはユートが立っており私を人質にしようとした瞬間に殴り倒したのだと察した。
もう1人の男はユートが相方を倒したことに気がつくのが遅れてしまい反応する前にユートに胸ぐらを掴まれ顔面を殴打される倒れ込む。
あっという間に2人を殴り倒したユートは魔性輪から短剣を出して短剣で私の拘束を壊した。
「ごめん、遅れた。大丈夫……か?」
彼の言葉さっきの冷たい声とは変わり暖かくやさしい声色をしていた。
緊張の糸が途切れる。さっきまでの恐怖から解き放たれた反動で目には涙が溢れる。
「うん……うん。」
泣きながら返事を返す。
「あの──そろそろ2回戦始まりますよ。」
後ろにいたユートとついてきた黒髪の青年が申し訳なさそうに会話に入ってくる。
そうだ!ユートの試合!!
「いや、こいつら突き出さないとだし、それにこいつらに詳しく事情を聞かないと……
こいつらは多分単独犯じゃねぇ、だから指示を出した奴を聞きださねぇと」
ユートは倒れている男に目線を落として言う。このままだとユートは試合に出ないような気がした。
それは嫌だ。だから……
「もう大丈夫だよユート。だからユートは行って」
ユートを安心させるように言った。
「そうですよ。この2人はデイ達と合流してちゃんと拘束しておきます。」
私の言葉に便乗して青年は言った。
「それにコイツらに指示を出したであろう人物……まぁ察せます」
その青年の言葉にユートは強く反応する。
「本当か!?いったいそいつは……」
ユートはすぐに青年のところへ行って両肩を掴み真の犯人について聞き出す。
「簡単な話です。昨日のドウ、そして今日レイナがいない事であなたが試合に参加しなくなる。そうして得する人がいます。
そしてその人はこの2人と同じ学園の生徒……誰だかわかりますね。」
青年はユートに問いかける様にはなす。
それを聞いた瞬間ユートは納得した様な顔をして。
「なるほど、アイツか……」
小さく、そして冷たい声で彼はそう呟いた。
「……わかった、ここは2人に任せる。俺は試合に行ってくるよ」
少し悩んだのか間を置いてユートは試合に出ると判断する。
「うん……無茶はしないでね」
私はユートをそう言った、彼の勝利が不安なわけじゃない。
今の彼の目を見るとこのままじゃ彼が彼じゃなくなるとそう思えたからだ。
ユートはその言葉を聞いて笑顔で手を振りながらグラウンドの方へと走って行った。
「さてと僕達もやりますかね。」
青年が体を伸ばして言う。けれどこの人って……
「あの……すみません誰ですか?」
「……えっ?」
この青年が魔法使用時のパートリーだと知らされるたのはこの後すぐだった。
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私は目を覚ました。
私がいるのは長細い部屋 私の反対側である向こう側の右方向には出口と思われる扉が見えた。
そして私の目の前にいる2人の男にも気が付いた。私の事を見てニタニタと気味の悪い顔をしていた。
今現在私は両手を後ろの鉄柱に拘束されている状態だった。特に衣服等の乱れは感じられなかった。
「あ、あなたたちはいったいだれ!?なんでこんなことを……」
私は目の前にいる男達に向かって問いただした。今の状況に恐怖を感じ体を震わせながら。
昨日 私は彼に"明日の朝会場に来てくれ"と呼び出されて。会場に着くと後ろから誰かに襲われて目が覚めたらこの状況だった。
今思えばあの時の彼の声は魔法で偽装されたものなのだろう。
「いやなに、君には試合が終わるまでここにいてもらいたいんだよ。そしたら記憶を消して解放してあげるからさ。
でもまぁ、少しくらいは楽しませてもらうけどね。」
───!!
男の下卑た声 私の身体を舐め回すように見ているニヤらしい目。2人の男が私に気味の悪い感情を向けてきた。
「それじゃあ起きた事だし、お手付きといきましょうかね!!」
さらに男が手を私に近づけてくる。
その手はいやらしい動きをしており 私になにをしてくるかなんて嫌でも想像がついてしまう。
そんなのはいやだ。
私は思い切って 拘束されていない脚で手を近づけてくる男を思いっきり蹴った。
「いっって!!」
蹴りは男の足に見事に命中して男は痛みで私から少し遠ざかった。
どうだ!私だってやれば出来るんだ!!
と心の中で少し自慢してみる。
けれども現実はそう甘くはなく。
「このクソ女ァ!!」
腹部に痛みが走る。
「ごっ……」
蹴られた事で逆上した男が私のお腹に向かって殴ってきたのだ。
それから何発か体の至る所を殴られる。
もう1人の男はただその光景を見ているだけだった。
「はっーはっー……もういいやるぞ。」
殴るのをやめた男が刃物を取り出す。
「ん?いいのか勝手にこんな事。」
見ていた男が反応した。
「別にいいだろ?俺たちはアイツにここまで従わされるなんて嫌だぜ。」
何か会話をしている。私はおとこが取り出した刃物を見ている。
いったいその刃物でなにをするというのだろうか。私の事でも殺そうとでもいうのだろうか。
そんな不安が脳内をよぎる。
嫌だ 嫌だ 嫌だ
まだ私は。
「まぁいいか。そのかわり俺にもやられてくれよ。」
どうやら話し合いは終わったみたいだ。
2人して私に近づく。脚でまた男達を蹴る事も出来るのだろうか 抵抗してまたさっきと同じような目に遭うのが怖くてなにも出来なかった。
「おら、下手に動くなよ。もしかしたら服ごとその白い肌が切れちまうかもしんねぇからよ。」
男がニヤケながら刃物を私の服に当てる。
……あぁそういうことか。
これからわたしがされる事を察する。
もう抵抗する意思も 逃げ出せる希望もない。
刃物が少しずつ私の服を切ろうとする。
もうダメなんだ 私はもう……。
諦めの考えで頭の中がいっぱいになる。
けれどその中でも諦めとは違う考えがあった。
──助けて。
彼の顔を思い浮かべる。
いつでも私の事を助けてくれる人 私の心の支えになってくれてる人。
私の特別な人。
こんな時でも助けれくれると信じるなんて私ってほんとバ……
男が服を切り裂こうとした瞬間だった。
私から見て奥にあった扉が大きな音を立て倒れ外の光が部屋に入り込む。
扉を壊した本人が部屋に入ってくる。
その人は ユート だった。
ユートは私の方を見る。ユートは私が殴られたと思われる傷が目に入った。
「……てめぇら」
ユートの声は今まで聞いたことがない冷たくそして憤怒の感情が詰め込まれていた。
「な、なんでお前がここに!?」
ユートを見た男は驚いていた。どうやらここが見つからないという自信があったのだろう。
「そりゃ立ち入り禁止の場所に人の反応が3つもありましたからね。結構すぐわかった」
ひょこっと誰が顔を出して説明する。
いったい彼は誰なのだろう?
「お前ら、覚悟はいいか?」
ユートは静かに 怒りのこもった声で男2人に威嚇をしながら近づいてくる。
「そ、それ以上近づいて来やがれ!こいつがどうn……」
私を人質にしようとして刃物を突き付けようとした男の言葉は最後まで言わされる事はなかった。
ゴッッ!
鈍い音と共に私を人質にしようとした男が倒れていた。
彼の直近にはユートが立っており私を人質にしようとした瞬間に殴り倒したのだと察した。
もう1人の男はユートが相方を倒したことに気がつくのが遅れてしまい反応する前にユートに胸ぐらを掴まれ顔面を殴打される倒れ込む。
あっという間に2人を殴り倒したユートは魔性輪から短剣を出して短剣で私の拘束を壊した。
「ごめん、遅れた。大丈夫……か?」
彼の言葉さっきの冷たい声とは変わり暖かくやさしい声色をしていた。
緊張の糸が途切れる。さっきまでの恐怖から解き放たれた反動で目には涙が溢れる。
「うん……うん。」
泣きながら返事を返す。
「あの──そろそろ2回戦始まりますよ。」
後ろにいたユートとついてきた黒髪の青年が申し訳なさそうに会話に入ってくる。
そうだ!ユートの試合!!
「いや、こいつら突き出さないとだし、それにこいつらに詳しく事情を聞かないと……
こいつらは多分単独犯じゃねぇ、だから指示を出した奴を聞きださねぇと」
ユートは倒れている男に目線を落として言う。このままだとユートは試合に出ないような気がした。
それは嫌だ。だから……
「もう大丈夫だよユート。だからユートは行って」
ユートを安心させるように言った。
「そうですよ。この2人はデイ達と合流してちゃんと拘束しておきます。」
私の言葉に便乗して青年は言った。
「それにコイツらに指示を出したであろう人物……まぁ察せます」
その青年の言葉にユートは強く反応する。
「本当か!?いったいそいつは……」
ユートはすぐに青年のところへ行って両肩を掴み真の犯人について聞き出す。
「簡単な話です。昨日のドウ、そして今日レイナがいない事であなたが試合に参加しなくなる。そうして得する人がいます。
そしてその人はこの2人と同じ学園の生徒……誰だかわかりますね。」
青年はユートに問いかける様にはなす。
それを聞いた瞬間ユートは納得した様な顔をして。
「なるほど、アイツか……」
小さく、そして冷たい声で彼はそう呟いた。
「……わかった、ここは2人に任せる。俺は試合に行ってくるよ」
少し悩んだのか間を置いてユートは試合に出ると判断する。
「うん……無茶はしないでね」
私はユートをそう言った、彼の勝利が不安なわけじゃない。
今の彼の目を見るとこのままじゃ彼が彼じゃなくなるとそう思えたからだ。
ユートはその言葉を聞いて笑顔で手を振りながらグラウンドの方へと走って行った。
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