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第1章 転移!学園!そして……
【29話】 玄関での攻防戦
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時は戻り、学園の玄関でこ襲撃者達と学園の生徒達と教員達との戦闘の真っ最中。
前へと出てくる襲撃者達に対し、学園側は複数人で固まって防衛線を張りながら戦闘を行っていた
どうやら学園側は守りの姿勢をとるようだ。
それもそのはず、何故なら今日は3年と共に出払っていた教員が帰ってくる日だからだ。
今出払っている3年及び教員達はこの魔法学園で相当な実力者であり、一部の生徒はパゼーレ騎士団の鍛え上げられた騎士にも匹敵する実力を持っていると言われている。
だからこそ、学園側は無理に攻めずに出払っている3年達が帰って来てから反撃に打って出る作戦のようだ。
幸いこの襲撃者達の強さはそこまででもない、このままならなんとか制圧出来そうだ、とこの迎撃戦で2年の指揮を臨時務めているノルトは余裕を持って戦いに挑んでいた。
ノルトは2年でもトップの実力者であり、ノルトの傍には彼の相棒であり親友であるアストノン・バレーがおり、共に戦闘を行っていた。
アストノンは先程、ノルトと共にユウトに会っていた人物だ。
彼の実力もノルトに次いで高く、ノルトと2人で生徒達を指揮していた。
いい感じだ。
このままなら、3年が帰って来るまで持ち堪えられそうだ。
そう思った矢先だった、奴が現れたのは。
大きな地響きを立て、そいつはやって来た。
襲撃者達の後ろの方から、魔力も存在感も体も奴の人器であろう戦鎚も巨大な男が出で来たのだ。
その瞬間、そこにいた学園側の人間はその男の強さを肌で感じとった。
「さーて、どいつから殺してやろうか?」
さっきまでの襲撃者達とは明らかに格が違った、この男こそがこの襲撃者達のリーダーなのだと。
男は巨大な戦鎚を地面に叩きつけた。
轟音を上げて床が割れる。
戦鎚を地面に叩きつけた衝撃が辺り一体に走り、その男の近くにいた生徒4人がその衝撃に巻き込まれて吹き飛ばされていった。
飛ばされた生徒の悲鳴が響き渡る。
「あ、あの野郎……!!」
生徒の悲鳴を聞き、俺は頭に血が昇ってその男に向かって飛びかかろうとする。
しかし、俺の横を少し大きい影が通り過ぎていった。
その人物は……
「ル、ルコード先生!?」
襲撃者のリーダー、ドサイに向かって行ったのは、なんとルコード先生だった。
それを見ていた生徒達は驚きを隠せなかった、なぜならルコード先生の魔法は戦闘向きではないからだった。
彼がここにいるのは講堂にいる生徒達に魔法で状況を伝えるのが彼の役目だったからだ。
「お前達は目の前の敵に集中しろ!!この男は俺が相手をする!!」
ルコードは走りながら生徒達に向けて叫び、ドサイに向かって戦いを挑みに行ったのだ。
ルコードとドサイが対峙する。
ルコードの魔法は特定の相手に声で情報を教えたり、言葉で相手を操ったりするものだ。
しかし相手を操るといっても、操る相手が直接ダメージを負うような言葉は発したとしても話す言葉によって相手の力が抜けるだけである。
更には相手との魔力の差が大きい程、魔法の効果は薄まってしまうのだ。
このような弱点がある以上ルコードは戦闘向きではないと周りから思われていた。
ルコードもその事は痛い程わかっている、だからこそ。
「自分を殴れぇ!!」
ルコードがドサイに言葉を浴びせる。
一瞬、ドサイは動きが止まる。
次の瞬間、ルコードは男の目の前に拳を振り上げて立っていた。
ルコードの魔法は戦闘向きではないが、だからといって彼が全く戦えないという訳ではない。
彼は自分自身が魔法に頼らず戦えるようになる為、日々自分の体を鍛えていたのだ。
その鍛えた体を今、生徒たちを守る為に使う!!
拳をドサイの顔面に向かって振り下ろす。
しかしドサイはルコードが殴ろうとする箇所に対して、腕で防いだ。
防ぎはしたものの、ルコードに殴られた衝撃でドサイは後ろへと足元の地面を削りながら引いて行った。
とうだ?そう思ったがしかし。
「今のはちょっとは効いたぜ~。」
ドサイはほぼ無傷で余裕そうに立っていた。
それならば、とルコードは男を追撃しようと前へ出ようとしたが……
次の瞬間、ルコードの目の前にドサイの拳が迫っていたのだ。
そしてドサイの拳がルコードに直撃し、ルコードは後ろへと吹き飛ばされた。
「ルコード先生!!」
ルコードが飛ばされて、生徒達がルコードを心配する声を出していた。
やはり、奴には勝てない……。
生徒達がドサイの恐怖を思い知らされていたが、ルコードはまだ諦めていなかった。
ルコードは飛ばされながらも、ドサイを睨みつけてそして最大の魔力を持って魔法を放とうとしていた。
こんな言葉、生徒達の前では使いたくはなかったが仕方ない。
「死ね!!!!」
ルコードはドサイだけに向けて飛ばされているさなかそう叫ぶ。
最大級の魔力を込めた一言イチゴン、ルコードはそのに賭けたのだ。
ルコードはその言葉を放った後に地面に凄い勢いで転がって行った。
それと同時にドサイの動きが止まる、ルコードの渾身の魔法をくらい体が動かなくなったのだ。
今が攻めるチャンスであるが、ルコードの体は動かなかった。
さっきのドサイよ強烈な一撃によるダメージと膨大な魔力を込めた魔法により、ルコードの体は限界を迎えていたからだ。
しかし、ドサイと戦っていたのはルコードだけでは無かった。
ドサイの後ろには既に人影があった。
ルコードの魔法が発せられると同時にこの男が動いていたのだ。
そこにいた男は2年の次席のアストノンだった。
ルコードがせっかく作ってくれたチャンスを逃す訳には行かない。
アストノンは人器である黒刀を光らせてドサイの首を斬り落としにいった。
黒刀がドサイの首にかかる。
ドサイはルコードの方を向きながら体が固まって動いていない。
取った……!
そう思った瞬間だった……
ドサイの体が動き出し、アストノンがいる方に拳で薙ぎ払ったのだ。
いきなり動き出したドサイに反応出来ず、アストノンはドサイの薙ぎ払いを喰らって吹っ飛ばされる。
「ロックブラスト」
ドサイがそう唱えた瞬間、地面に転がっていた無数の床の破片が浮かび上がり、アストノンに全て命中する。
「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!」
アストノンが痛みのあまり叫ぶ。
アストノンに当たった破片はドサイの魔力も込められており、ひとつひとつの破片がプロ野球選手の豪速球並みの威力になっていた。
「アストノン!!」
俺はアストノンの叫びを聞いて助けにむかおうとしたが。
「おっと、ここは通さねぇぜ。」
アストノンを助けに向かおうとした俺の目の前に複数の襲撃達が集まり行く先を封じた。
一人一人は大した強さではないが……数が多すぎる。
俺は目の前の連中に妨害をされてアストノンを助けに行けなかった。
「もうその魔法の対処は出来てるんだよ。
声で相手に効果を与える魔法なら、頭を魔力て守れば怖い魔法じゃない。
あとは動かないと勘違いして俺に向かってくる馬鹿を返り討ちにしてやればいいだけだ。
さてと……」
ドサイはルコードの魔法の対処法を得意げに話した。
ドサイの攻撃を喰らったアストノンはズタボロになって、地面に倒れていた。
そこにドサイが歩いて近づいてくる。
「まずは、お前からだな。」
笑みを浮かべながらやってくるドサイにアストノンは恐怖の感情しか浮かばなかった。
そしてアストノンは……
「ごめんなさい……どうか……命だけは……」
ドサイへの恐怖の感情に支配されたアストノンは膝を抱えて、頭を地面に擦りつけ命乞いをした。
そのアストノンの格好はまるで土下座をしているようだった。
それを見たドサイは深くため息をついて。
「はぁ……こんなんじゃ殺してもツマラねぇな、見逃してやるか……」
酷く残念そうな声で話した。
その言葉にアストノンは助かったと安心と嬉しさがこもった表情で顔を上げた。
その瞬間、ドサイは人器である、戦鎚をアストノンに振り下ろした。
戦鎚はアストノンを叩き潰して辺りに赤い液体を撒き散らした。
ドサイは戦鎚を持ち上げて肩に担ぐ。
「助かったと思ったか?残w念wだwっwたwなw」
戦鎚によって潰されたアストノンだったものはほとんど原型が残らない肉塊と化していた。
そんなアストノンを笑いながらドサイは見ていた。
学園側の場の雰囲気が凍る。
「アストノン……?」
ノルトは親友の死に戸惑っていた。
さっきまで元気で一緒に行動していたあのアストノンが今や動かない肉塊になっていたのだ。
「クッッッッソがァァァァァァァ!!」
友を殺された怒りでノルトは目の前にいた男の頭部を叩き割り、殺害した。
足に魔力を集めて蹴り出すと同時に魔力を噴射させて少し宙を浮かせながら襲撃者の集まりを強行突破し、親友を殺したドサイに向かって飛んだ。
ジェット機のように飛びながらノルトは拳を作り魔力を溜める。
ノルトの魔法は魔力を溜めて一気に相手に攻撃するといった魔法、幸いにも溜まっている魔力はまだ十分にある。
それを全てドサイにぶつける!!
「死ッッッねぇぇぇぇ!!!」
怒りを叫びドサイに魔力がこもった拳をぶつけようとする。
距離はあと少し、あと少しであいつを殺せる!!
「ストーンエッジ」
グチャッ
……なんだ?体がこれ以上奴に近づけない。
あと少しの距離だっていうのに……。
それに周りの生徒が俺を見て驚いてる?
一体どうしたんだ?
そういえば腹部に何か違和感がある。
なんだろうかこの感覚は?まるで腹に何か刺さって……
ノルトは違和感を感じる自分の腹部をゆっくりと見た。
そこでノルトが見たものは、地面から生えた太い岩の柱のようなものが自分の腹部に刺さって貫通して赤い血がその柱を伝って地面に落ちている様子だった。
「あ、あ、あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!」
その光景にノルトは絶叫する。
そして前にいたドサイはノルトを見ながら。
「お前、うっさすぎwバレバレなんだよw」
柱に貫通しているノルトを見てゲラゲラと笑いながらドサイは言った。
「は、離せ……」
ノルトはドサイのその笑い声で更に怒りが増しながらそう言った。
そしてドサイは笑いながら……
「あぁ、わかった。離してやるよ。」
パチンッ
ドサイは指パッチンを行ってノルトに刺した柱をバラけさせた。
そして貫通していた岩が崩れて、刺されていた場所に大きな空洞が空いているノルトの腹部からは当然大量の血液が吹き出していき。
ノルトは地面に落ちると同時に、出血多量で絶命した。
その光景を見た2年は恐怖と困惑でまともに戦える人数が激減する。
襲撃者達はその機会を逃さなかった。
襲撃者達は戦意が無くなりかけている生徒達に猛攻を仕掛け優位な状況へと変わった。
「ここは任せたぞ!俺は奥へ進む!!」
ドサイがそう叫んで玄関から校舎の奥の方へと向かって行った。
2年の上位2人を殺した男に生徒達は戦いを挑む事が出来なかった。
それを見たルコードはドサイにまた攻撃を仕掛けようとするが、まだドサイの攻撃による痛みが抜けておらず戦う事が出来なかった。
戦う事が出来ないルコードが取るべき行動……それはこの現状を講堂にいる生徒達に伝える事だけだった。
ルコードは残る魔力を集めて。
「緊急!!緊急!!こちらの被害甚大!!そしてこの襲撃の主犯格の男1人が校内へ向かって行った!!講堂にいる者はいつでも逃げれる様に準備をしておけ!!」
そう講堂の方に向かい魔法で伝える。
そしてルコードは今ある魔力を全て使い果たして気絶する直後こう願う。
頼む……誰か……奴を止めてくれ……
前へと出てくる襲撃者達に対し、学園側は複数人で固まって防衛線を張りながら戦闘を行っていた
どうやら学園側は守りの姿勢をとるようだ。
それもそのはず、何故なら今日は3年と共に出払っていた教員が帰ってくる日だからだ。
今出払っている3年及び教員達はこの魔法学園で相当な実力者であり、一部の生徒はパゼーレ騎士団の鍛え上げられた騎士にも匹敵する実力を持っていると言われている。
だからこそ、学園側は無理に攻めずに出払っている3年達が帰って来てから反撃に打って出る作戦のようだ。
幸いこの襲撃者達の強さはそこまででもない、このままならなんとか制圧出来そうだ、とこの迎撃戦で2年の指揮を臨時務めているノルトは余裕を持って戦いに挑んでいた。
ノルトは2年でもトップの実力者であり、ノルトの傍には彼の相棒であり親友であるアストノン・バレーがおり、共に戦闘を行っていた。
アストノンは先程、ノルトと共にユウトに会っていた人物だ。
彼の実力もノルトに次いで高く、ノルトと2人で生徒達を指揮していた。
いい感じだ。
このままなら、3年が帰って来るまで持ち堪えられそうだ。
そう思った矢先だった、奴が現れたのは。
大きな地響きを立て、そいつはやって来た。
襲撃者達の後ろの方から、魔力も存在感も体も奴の人器であろう戦鎚も巨大な男が出で来たのだ。
その瞬間、そこにいた学園側の人間はその男の強さを肌で感じとった。
「さーて、どいつから殺してやろうか?」
さっきまでの襲撃者達とは明らかに格が違った、この男こそがこの襲撃者達のリーダーなのだと。
男は巨大な戦鎚を地面に叩きつけた。
轟音を上げて床が割れる。
戦鎚を地面に叩きつけた衝撃が辺り一体に走り、その男の近くにいた生徒4人がその衝撃に巻き込まれて吹き飛ばされていった。
飛ばされた生徒の悲鳴が響き渡る。
「あ、あの野郎……!!」
生徒の悲鳴を聞き、俺は頭に血が昇ってその男に向かって飛びかかろうとする。
しかし、俺の横を少し大きい影が通り過ぎていった。
その人物は……
「ル、ルコード先生!?」
襲撃者のリーダー、ドサイに向かって行ったのは、なんとルコード先生だった。
それを見ていた生徒達は驚きを隠せなかった、なぜならルコード先生の魔法は戦闘向きではないからだった。
彼がここにいるのは講堂にいる生徒達に魔法で状況を伝えるのが彼の役目だったからだ。
「お前達は目の前の敵に集中しろ!!この男は俺が相手をする!!」
ルコードは走りながら生徒達に向けて叫び、ドサイに向かって戦いを挑みに行ったのだ。
ルコードとドサイが対峙する。
ルコードの魔法は特定の相手に声で情報を教えたり、言葉で相手を操ったりするものだ。
しかし相手を操るといっても、操る相手が直接ダメージを負うような言葉は発したとしても話す言葉によって相手の力が抜けるだけである。
更には相手との魔力の差が大きい程、魔法の効果は薄まってしまうのだ。
このような弱点がある以上ルコードは戦闘向きではないと周りから思われていた。
ルコードもその事は痛い程わかっている、だからこそ。
「自分を殴れぇ!!」
ルコードがドサイに言葉を浴びせる。
一瞬、ドサイは動きが止まる。
次の瞬間、ルコードは男の目の前に拳を振り上げて立っていた。
ルコードの魔法は戦闘向きではないが、だからといって彼が全く戦えないという訳ではない。
彼は自分自身が魔法に頼らず戦えるようになる為、日々自分の体を鍛えていたのだ。
その鍛えた体を今、生徒たちを守る為に使う!!
拳をドサイの顔面に向かって振り下ろす。
しかしドサイはルコードが殴ろうとする箇所に対して、腕で防いだ。
防ぎはしたものの、ルコードに殴られた衝撃でドサイは後ろへと足元の地面を削りながら引いて行った。
とうだ?そう思ったがしかし。
「今のはちょっとは効いたぜ~。」
ドサイはほぼ無傷で余裕そうに立っていた。
それならば、とルコードは男を追撃しようと前へ出ようとしたが……
次の瞬間、ルコードの目の前にドサイの拳が迫っていたのだ。
そしてドサイの拳がルコードに直撃し、ルコードは後ろへと吹き飛ばされた。
「ルコード先生!!」
ルコードが飛ばされて、生徒達がルコードを心配する声を出していた。
やはり、奴には勝てない……。
生徒達がドサイの恐怖を思い知らされていたが、ルコードはまだ諦めていなかった。
ルコードは飛ばされながらも、ドサイを睨みつけてそして最大の魔力を持って魔法を放とうとしていた。
こんな言葉、生徒達の前では使いたくはなかったが仕方ない。
「死ね!!!!」
ルコードはドサイだけに向けて飛ばされているさなかそう叫ぶ。
最大級の魔力を込めた一言イチゴン、ルコードはそのに賭けたのだ。
ルコードはその言葉を放った後に地面に凄い勢いで転がって行った。
それと同時にドサイの動きが止まる、ルコードの渾身の魔法をくらい体が動かなくなったのだ。
今が攻めるチャンスであるが、ルコードの体は動かなかった。
さっきのドサイよ強烈な一撃によるダメージと膨大な魔力を込めた魔法により、ルコードの体は限界を迎えていたからだ。
しかし、ドサイと戦っていたのはルコードだけでは無かった。
ドサイの後ろには既に人影があった。
ルコードの魔法が発せられると同時にこの男が動いていたのだ。
そこにいた男は2年の次席のアストノンだった。
ルコードがせっかく作ってくれたチャンスを逃す訳には行かない。
アストノンは人器である黒刀を光らせてドサイの首を斬り落としにいった。
黒刀がドサイの首にかかる。
ドサイはルコードの方を向きながら体が固まって動いていない。
取った……!
そう思った瞬間だった……
ドサイの体が動き出し、アストノンがいる方に拳で薙ぎ払ったのだ。
いきなり動き出したドサイに反応出来ず、アストノンはドサイの薙ぎ払いを喰らって吹っ飛ばされる。
「ロックブラスト」
ドサイがそう唱えた瞬間、地面に転がっていた無数の床の破片が浮かび上がり、アストノンに全て命中する。
「ぐわぁぁぁぁぁぁ!!!」
アストノンが痛みのあまり叫ぶ。
アストノンに当たった破片はドサイの魔力も込められており、ひとつひとつの破片がプロ野球選手の豪速球並みの威力になっていた。
「アストノン!!」
俺はアストノンの叫びを聞いて助けにむかおうとしたが。
「おっと、ここは通さねぇぜ。」
アストノンを助けに向かおうとした俺の目の前に複数の襲撃達が集まり行く先を封じた。
一人一人は大した強さではないが……数が多すぎる。
俺は目の前の連中に妨害をされてアストノンを助けに行けなかった。
「もうその魔法の対処は出来てるんだよ。
声で相手に効果を与える魔法なら、頭を魔力て守れば怖い魔法じゃない。
あとは動かないと勘違いして俺に向かってくる馬鹿を返り討ちにしてやればいいだけだ。
さてと……」
ドサイはルコードの魔法の対処法を得意げに話した。
ドサイの攻撃を喰らったアストノンはズタボロになって、地面に倒れていた。
そこにドサイが歩いて近づいてくる。
「まずは、お前からだな。」
笑みを浮かべながらやってくるドサイにアストノンは恐怖の感情しか浮かばなかった。
そしてアストノンは……
「ごめんなさい……どうか……命だけは……」
ドサイへの恐怖の感情に支配されたアストノンは膝を抱えて、頭を地面に擦りつけ命乞いをした。
そのアストノンの格好はまるで土下座をしているようだった。
それを見たドサイは深くため息をついて。
「はぁ……こんなんじゃ殺してもツマラねぇな、見逃してやるか……」
酷く残念そうな声で話した。
その言葉にアストノンは助かったと安心と嬉しさがこもった表情で顔を上げた。
その瞬間、ドサイは人器である、戦鎚をアストノンに振り下ろした。
戦鎚はアストノンを叩き潰して辺りに赤い液体を撒き散らした。
ドサイは戦鎚を持ち上げて肩に担ぐ。
「助かったと思ったか?残w念wだwっwたwなw」
戦鎚によって潰されたアストノンだったものはほとんど原型が残らない肉塊と化していた。
そんなアストノンを笑いながらドサイは見ていた。
学園側の場の雰囲気が凍る。
「アストノン……?」
ノルトは親友の死に戸惑っていた。
さっきまで元気で一緒に行動していたあのアストノンが今や動かない肉塊になっていたのだ。
「クッッッッソがァァァァァァァ!!」
友を殺された怒りでノルトは目の前にいた男の頭部を叩き割り、殺害した。
足に魔力を集めて蹴り出すと同時に魔力を噴射させて少し宙を浮かせながら襲撃者の集まりを強行突破し、親友を殺したドサイに向かって飛んだ。
ジェット機のように飛びながらノルトは拳を作り魔力を溜める。
ノルトの魔法は魔力を溜めて一気に相手に攻撃するといった魔法、幸いにも溜まっている魔力はまだ十分にある。
それを全てドサイにぶつける!!
「死ッッッねぇぇぇぇ!!!」
怒りを叫びドサイに魔力がこもった拳をぶつけようとする。
距離はあと少し、あと少しであいつを殺せる!!
「ストーンエッジ」
グチャッ
……なんだ?体がこれ以上奴に近づけない。
あと少しの距離だっていうのに……。
それに周りの生徒が俺を見て驚いてる?
一体どうしたんだ?
そういえば腹部に何か違和感がある。
なんだろうかこの感覚は?まるで腹に何か刺さって……
ノルトは違和感を感じる自分の腹部をゆっくりと見た。
そこでノルトが見たものは、地面から生えた太い岩の柱のようなものが自分の腹部に刺さって貫通して赤い血がその柱を伝って地面に落ちている様子だった。
「あ、あ、あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!」
その光景にノルトは絶叫する。
そして前にいたドサイはノルトを見ながら。
「お前、うっさすぎwバレバレなんだよw」
柱に貫通しているノルトを見てゲラゲラと笑いながらドサイは言った。
「は、離せ……」
ノルトはドサイのその笑い声で更に怒りが増しながらそう言った。
そしてドサイは笑いながら……
「あぁ、わかった。離してやるよ。」
パチンッ
ドサイは指パッチンを行ってノルトに刺した柱をバラけさせた。
そして貫通していた岩が崩れて、刺されていた場所に大きな空洞が空いているノルトの腹部からは当然大量の血液が吹き出していき。
ノルトは地面に落ちると同時に、出血多量で絶命した。
その光景を見た2年は恐怖と困惑でまともに戦える人数が激減する。
襲撃者達はその機会を逃さなかった。
襲撃者達は戦意が無くなりかけている生徒達に猛攻を仕掛け優位な状況へと変わった。
「ここは任せたぞ!俺は奥へ進む!!」
ドサイがそう叫んで玄関から校舎の奥の方へと向かって行った。
2年の上位2人を殺した男に生徒達は戦いを挑む事が出来なかった。
それを見たルコードはドサイにまた攻撃を仕掛けようとするが、まだドサイの攻撃による痛みが抜けておらず戦う事が出来なかった。
戦う事が出来ないルコードが取るべき行動……それはこの現状を講堂にいる生徒達に伝える事だけだった。
ルコードは残る魔力を集めて。
「緊急!!緊急!!こちらの被害甚大!!そしてこの襲撃の主犯格の男1人が校内へ向かって行った!!講堂にいる者はいつでも逃げれる様に準備をしておけ!!」
そう講堂の方に向かい魔法で伝える。
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