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番外編:キャサリン王女の幸福。10
しおりを挟む「あら、もう口説けたんですの?」
翌日、キャサリンはケネスと共にアレクサンドラの執務室を訪れた。アレクサンドラの明け透けな物言いに、キャサリンは頬を染めたが、ケネスはけろりとしていた。
「は、はい。」
「お二人とも、よく頑張りましたわね。」
アレクサンドラにふわりと微笑まれ、キャサリンは思わず嬉しくなるが、ケネスは苦々しい顔をしていた。
「・・・ケネス?」
キャサリンが小声で気遣うように声を掛けるが、ケネスはアレクサンドラを見据えてハッキリ答えた。
「アレクサンドラ様がそのように笑っていると、恐ろしくなります。」
「あら、私も笑うことくらいありますのよ。」
見つめ合う二人を見て、キャサリンはオロオロとしてしまう。その様子を見たケネスが、小さく息を吐くと、顔を顰めたままぽつりと答えた。
「・・・アレクサンドラ様には、その、色々と無茶ブリされていたから。」
「そ、そうだったの。」
前日に聞いたケネスの話を思い出し、キャサリンは一人納得した。キャサリンには甘いアレクサンドラも、他の者にはそうではないことを、キャサリンも理解していた。
「ふふふ。それでは、お二人にお教えしましょう。二人が結ばれる方法を。そして、お手伝い頂きたいことを。」
妖艶に微笑むアレクサンドラに、キャサリンもケネスも思わず警戒してしまう。そんな二人に更に笑いかけたアレクサンドラは、とんでもない計画を語り始めた。彼女が、四歳から決意していたことは、この国を揺るがすような恐ろしいことだった。
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