【完結】社畜が溺愛スローライフを手に入れるまで

たまこ

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「ねぇ。この前、駅前で瑞樹ちゃんが若いイケメンと歩いてたのよ!」

「えぇ、職場の人じゃないの・・・ってそうか在宅ワークって言ってたもんね。」

「そうそう、私もカフェで見かけたわ。眼鏡の優しい雰囲気の人じゃない?」

「同じ人だわ!瑞樹ちゃんにも春が来たのね~嬉しいわ。」

「瑞樹ちゃん、苦労していたみたいだし、幸せになってほしいわ。」

「結婚式には呼んでほしいわね~。」

「気が早いでしょ!」

 笑い声が少しずつ遠くなっていく。手芸教室の終わり、生徒のおばさんたちの井戸端会議を立ち聞きしてしまった俺は、顔から血の気が引いていた。




 ここ最近、瑞樹が手芸教室を休みがちになった。在宅ワークが忙しい、と話していたが今までにこんなことは無かった。もしかして若いイケメンと会っていて忙しいと言うことか。まさか。若いイケメン・・・俺が絶対に勝てない相手だ。おばさんたちが話していたように仕事相手ではないだろう。友人かもしれないが、以前瑞樹があまり友人がいないことを恥ずかしそうに話していたので、その線は薄い。いや、でも、瑞樹に限って、そんな不義理をするようなことはない、と思いたい。


 将来も一緒に過ごせるなら、瑞樹しかいないと思っていた。でも、もし瑞樹が他の人を好きになったら?俺は迷いなく手放せるのだろうか。瑞樹にとっては、こんなおじさんよりももっと若くていい男の方が幸せになれるのではないだろうか。




 柄にもなく、うじうじ悩んでいる時に携帯が鳴っていることに気付いた。瑞樹からの「都合の良いときに会いたい。」という控えめなお誘いに俺はすぐ軽トラを走らせた。いつもと違う緊張を携えて。
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