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しおりを挟む「貴女って、全然可愛くないわね。」
自分が化粧をすることも、化粧が濃い着飾った女性を見ることも、苦手だった。
野暮ったいと、冴えないと陰で言われていることは昔から知っていた。それでも、自分を変えようなんて思わなかった。このままが良いと願っていた。だからある日美しい女性に言われてしまった。
彼女は、美しいプラチナブロンドの髪を靡かせていた。
彼女は、流行の華やかなドレスがよく似合っていた。
彼女は、誰もが目を引く美貌を携えていた。
彼女は、……私の婚約者の隣に立つ女性だった。
◇◇◇◇
「アニエス!明日一緒にカフェに行きましょう。」
学園の帰りに親友のクロエからの誘われるが、私は目を伏せ首を振った。
「ごめんなさい。明日は……。」
「あっ、そうね。明日はお茶会の日だったわよね。アニエス……大丈夫なの?」
クロエは私の顔を覗き込み、心配そうに眉を寄せた。クロエの家と私の家はそれぞれ伯爵家で、同じ爵位のため幼い頃の仲だ。私の後ろ向きな気持ちも手に取るように分かるようだ。
「……たまには、お休みにしてもらったら?」
「それは……。」
私は小さく首を振った。それは無理な相談であることを察したのだろう。クロエは苦笑して励ますように私の手を優しく握った。
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