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しおりを挟むこの令和の時代、婚活産業は飛ぶ鳥を落とす勢いだ。昔からある結婚相談所だって多種多様になっている。SNSやアプリを活用した婚活のブームも続いている。
そんな時代を生きる私も、結婚願望はあり、婚活に乗り出すことにした。ネットで検索すれば、婚活のツールが多すぎて情報過多だったが、パンフレットを請求し、サービスを見比べ、ひぃひぃと悲鳴を上げながらも、何とか申し込みたい結婚相談所に当たりをつけた。そして、申し込みには写真が必要だということ、その写真を撮るサービスを提供している写真館も多いことを知り、写真館を探した。
すると、近所の写真館のシンプルすぎるホームページに、少し似合わない『婚活写真、お撮りします。』の文字を見つけた。私は、思い立ったが吉日、とばかりにすぐ写真館に向かった。
(もしかして、予約が必要なんじゃないの?)
写真館のドアノブに手を掛けた瞬間、ふと当たり前のことに気付いた。そして、結婚相談所のパンフレットのサンプル写真を思い返す……あのモデルの女性は随分華やかだった。もしかしなくとも、お洒落な服装と、ばっちりメイクが必要なのではないか。
(ま、まぁ、いいか。今日は撮らないで、予約だけさせてもらおう。)
早速出鼻を挫かれた私だが、頭を振り、大きく深呼吸をして、気合を入れた後、写真館のドアを開けた。カランコロン、と懐かしいドアベルの音が響く。
「いらっしゃい。」
ドアを開けて、すぐ左側にあるカウンターに座った、私より少し年上のように見える男性が、爽やかな笑顔で迎えてくれた。
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