【完結】三毛猫みぃのお家

たまこ

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三毛猫みぃ 本当の家族 3

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(きょうは、リッキーとねむる!)


 みぃは、そう宣言してリッキーのお家にずかずかと入り込みました。リッキーは困り顔を浮かべました。



(きょう、さむい。みぃ、かぜひく)


 リッキーは心配そうに諭します。犬と猫では体の作りが違い、どうしても猫の方が体が弱いことをリッキーはよく知っていたからです。



(やだ!やだ!ぜったいリッキーとねむるの!)



 みぃは大きく首を振ります。こうなると、みぃはテコでも動きません。リッキーは困り果ててしまいました。






 リッキーのお家は、リッキーとみぃが入るとぎゅうぎゅう詰めになりました。




(ほら、くっついてたら、あったかい!)


 みぃは得意げに言いました。久しぶりに心が暖かくなるのを感じました。




(リッキーは、みぃがリッキーとおなじじゃないからいや?)



(リッキー、いぬ、みぃ、ねこ、おなじじゃない、あたりまえ)



(みぃはおなじがいいの!みぃ、いぬがよかった、そしたら、おさんぽしてもらえるし、じぶんのおうちもあるし!)



(いぬ、おうち、はいれない、いぬ、だっこ、してもらえない)


 みぃは、ハッとしました。リッキーだって、寂しい思いをしているのに気付いたからです。


 それに、もし犬になったら、お家の中に入れないし、抱っこもしてもらえません。母ちゃんと眠ることもできないのです。



(みぃがリッキーだっこする!)


 みぃは何だか悲しくなって、リッキーに、ぎゅうぎゅうと、しがみつきました。それは抱っことは呼べないけれど、みぃはそうせずにはいられなかったのです。
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