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しおりを挟む「今日はここまでに致しましょうか。」
「はい!ありがとうございました!」
司祭見習いの方との話を終え、私は満足していた。教会は、誰にでも開かれる場所であり、私がなりたいと思えばすぐシスター見習いになれると言う。勿論、なってからはたくさんの勉強が必要なようだけど。
「アマンダ……。」
教会の出入り口で待っていたジェレミーを見て、私はぎくりとしてしまった。彼のことを考えないようにしようと必死だったからだ。
◇◇◇◇
教会の隣にある公園のベンチに、二人並んで腰掛ける。
(冷静に、冷静に。どうにか、婚約破棄に持っていくのよ。)
「アマンダ……すまなかった。アマンダに嫌な思いばかりさせてしまって。」
(冷静に、冷静に……。)
「だけど、誤解なんだ。」
(先ほどみたいな失態は絶対にしないんだから。)
「クララとは、そんな仲では無くて。理由があるんだ。」
(冷静に、冷静に……。)
「クララは……。」
「クララ、クララってうるさい!!」
「……!!」
やってしまった、と思った時には、もう口が止まらなくなっていた。
「……他の人の名前なんて呼ばないでほしかった。」
「アマンダ……。」
「……私のこと、後回しにしないでほしかった。他の人と二人きりになんてならないでほしかった。」
「ち、ちが……」
ジェレミーが私を引き寄せようと、私の腕を掴んだ。私はそれを振り払い、ジェレミーの胸元をぽかぽかと叩いた。
「きらいっ、きらいっ!だいっきらい!ずっと、一緒にいるって、言ってたのに……っ!うそつき!うそつきっ!」
ぼろぼろと涙を流しながら、ジェレミーを叩き続ける私のことを、ジェレミーは止めることは無かった。
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