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しおりを挟む放課後。学園の中庭にある東屋で、レナードとロキが授業の課題に勤しんでいると、ベンジャミンがやって来た。
「あ、ベンジャミン!俺とルシルちゃんのデート、もう邪魔しないでくれる?」
「……っ!ロキ、お前本気で……?」
ベンジャミンはぎりぎりと歯を食いしばり、ロキを睨み付けた。
「本気だよ?俺はまだ婚約者もいないし、ルシルちゃん可愛くて良い子だし?俺ならルシルちゃんを睨んだりしないし?」
「……その、ルシルちゃん、と呼ぶのは止めろ。」
「なんで?ベンジャミンはもうすぐ婚約解消されて他人になるのに?」
「もう止めろ。」
火花を散らし始めた二人に、レナードが割って入り、漸く言い争いは終わった。
◇◇◇◇
そんな争いが勃発してるとは露知らず、私は頭を悩ませていた。
「うーん……明日の移動教室は……。」
一人でぶつぶつ言いながら、私の時間割と、レナードお兄様から貰ったお兄様達のクラスの時間割を見比べる。お兄様とベンジャミン様は同じクラスなので、お兄様の時間割を把握しておけば、ベンジャミン様と鉢合わせする確率は下がるという訳だ。
「毎日時間割の確認は大変だけど……。」
それでも、ベンジャミン様とヴィクトリア様の幸せの為に、私はどんな努力も厭わないのだ。私は、二人の素敵な未来を思い、闘志を燃やした。
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