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しおりを挟む私は帰宅すると、使用人たちへの挨拶もそこそこにお父様の書斎へと飛び込んだ。
「お父様!!ベンジャミン様との婚約、解消させてくださいませ!」
「ルシル……もっと小さい声で話すようにいつも言って……婚約解消?!ルシル、どういうことだ!」
あれほど私が懇願して結ばれた婚約を解消したいと言い始めたことに、お父様は困惑し声を上げた。私は、学園でのベンジャミン様の様子、そしてヴィクトリア様との関係のことをハキハキと伝え、愛し合う二人を応援したいと締め括った。
「話は分かったが、ルシル……少し待ちなさい。婚約解消するなら、事実関係を調べる必要があるし、ベンジャミン殿のお父上とも話をする必要がある。婚約解消のことは、まだ誰にも言ってはいけないよ。勿論ベンジャミン殿にもだ。」
「ベンジャミン様へは先程お伝えしました!」
「ル~シ~ル~!!!!大事な話は自分で決めずにまず家族に相談するように何度も言っているじゃないか!お前は猪のように真っ直ぐにしか進めないのだから、進む前に相談しろと!」
「う……お父様、ごめんなさい……。」
怒り狂うお父様に私は謝るしか出来なかった。お父様は肩を落とし「はぁ……もういい。ベンジャミン殿のお父上と話してみるから、お前はもう余計なことはするなよ。」と釘を刺され、私は自室へと戻った。
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