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しおりを挟む「ルシル様。ベンジャミン様に近付くのは止めてくださらない?迷惑しているの。」
そう、二つ年上の侯爵令嬢ヴィクトリア様から言われ、私は漸く、点と点が繋がった、そんな気がした。
私が大好きで堪らない婚約者ベンジャミン様へ、どんなに話しかけても返事を貰うどころか視線すら合わないこと。婚約者として最低限の交流はしてくださるけれど、それも気が進まない様子であること。私はずっと見ていない、ベンジャミン様の笑顔を、ヴィクトリア様には何度も向けていたこと。
そう、ベンジャミン様とヴィクトリア様は愛し合っており、私はお邪魔虫だったのだ。
「ヴィクトリア様、分かりましたわ!」
「そう、でしたらベンジャミン様に近付くのは……。」
「ええ、私、必ずベンジャミン様と婚約解消しますわ!」
腕捲りをし拳を突き上げる、令嬢らしからぬ私の行動を見て、目を丸くしているヴィクトリア様を置き去りにして私は走り出した。
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