周りにαが多すぎる

小雪 秋桜

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第一章

第四話

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次に目を覚ましたときに見た光景は、目の前にドアップの父親の顔だった。
軽く悲鳴をあげると、悲しそうな顔をして部屋の隅で丸まってしまった。
「あら。起きたのね、良かったわ。」
そう言って入ってきたのはお母さんだった。
後ろには青ざめた顔の鳳兄さんと烈兄さんがいた。
「兄さんたちどうしたの青ざめて。」
僕は不思議に思い聞くと、二人は震え始めた。
「何もないわよね。二人とも、病室では静かにね。」
お母さんが黒い笑みを浮かべながら言うと、二人は顔がとれるんじゃないかと思うくらい顔を上下に振っていた。
僕は何も見なかったことにして顔を背けた。
「「お兄ちゃん。お見舞いに来たよ。」」
元気な声が病室に響いた。
見ると、弟である陸と空が赤い薔薇を一輪ずつ持ってきてくれていた。
「ありがとう。陸、空。花瓶にいれて飾らせてもらうね。」
そう言うと、二人は周りに花が咲いたような可愛らしい笑みをしていた。
僕は、二人の頭を撫でているとなぜだか鳳兄さんも烈兄さんも、怖い顔をして床を叩きだしお母さんに病室の外に連れていかれた。
「お兄ちゃん。早く元気になってくださいね。元気になったら空と一緒に三人で遊びにいきましょう。」
「遊園地なんて良いと思いますよ。陸とお兄ちゃんと三人で観覧車にも乗ってみたいです。」
弟二人に言われてとても嬉しかった。
父さんも父さんもと、お父さんが言っていたが弟二人は聞こえていないかの様に無視していつ行くのかという話をしていた。
退院して初めの休日にしようということで落ち着いた。
お母さんとの話し合いが終わったのか兄の二人も帰ってきていたが、何も言わずに血の涙を流していた。
面会時間が終わるというので家族全員が帰っていった。
少し話しただけだったのだか、疲れたのか瞼を閉じるとすぐに眠れた。
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