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第2章
第15話 魔術…
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そこに立っていたのは…
勤おじさんだった。
「なんだよ。びっくりさせんなよ。」
「なんだよってなんだよwwwひと仕事終えて、帰ってきて最初の一言がそれかよ。」
「ありがとう… 助かった。」
「おうよ。」
そう言い終わると二人の間に少しの沈黙が流れる。言うことが何もないわけがない。だからこそ嫌な予感がしてお互い声を出せない。
その沈黙を先に破ったのは叔父の方だった。
「歩夢? 相談があるんだが、いいか?」
叔父はすごく深刻な顔をしている。
一目でこれは頼みづらいことなのだろうと理解したが、ここまで深刻な顔をした叔父を見たことがなかった。どんなのことなのだろうか。
「どうしたの?勤おじさん。」
思わず反射的に聞いてしまった。最もこの状況で聞かないという選択肢はあり得なかったが。
「怒らないで聞いてほしい。」
「うん。」
「魔術修行をしてくれないか?」
「例の?この傘事件に終止符を打てる魔術?」
「ああ。だが一番初めにも言ったが一番大切なものを失うことになるらしい。もしかしたらお前が犠牲になるかもしれない。俺でもいいんだが、おじさんにはもう魔力は残ってなくてな。それこそあんな大魔術、使っただけで死にそうだ。」
と言い笑った。
「歩夢…?」
今まで空気を読んで黙っていた霞が口を開いた。おそらく僕を心配してだろう。だが僕の答えはもう決まっている。
「やるよ。おじさん。」
「歩夢…?本気なの?」
「本当か? なら明日から始めよう。今日は一日寝てろ。」
「ごめんな。霞。だけどここで止めなきゃ霞がまた酷い目にあう。それだけは避けたい。」
「わかった。けど私もサポートする。」
「学校は?」
「そんなのサボるに決まってるよ。」
「決まってるのか… 」
これには呆れるしかなかった。ここまで言われたら途中で諦めるなんてこと絶対にできない。何が何でもやり遂げなければならなくなってしまった。
「いっちょ頑張りますか。」
と自分に喝を入れ、今日は一日ぐっすり寝ることにした。
勤おじさんだった。
「なんだよ。びっくりさせんなよ。」
「なんだよってなんだよwwwひと仕事終えて、帰ってきて最初の一言がそれかよ。」
「ありがとう… 助かった。」
「おうよ。」
そう言い終わると二人の間に少しの沈黙が流れる。言うことが何もないわけがない。だからこそ嫌な予感がしてお互い声を出せない。
その沈黙を先に破ったのは叔父の方だった。
「歩夢? 相談があるんだが、いいか?」
叔父はすごく深刻な顔をしている。
一目でこれは頼みづらいことなのだろうと理解したが、ここまで深刻な顔をした叔父を見たことがなかった。どんなのことなのだろうか。
「どうしたの?勤おじさん。」
思わず反射的に聞いてしまった。最もこの状況で聞かないという選択肢はあり得なかったが。
「怒らないで聞いてほしい。」
「うん。」
「魔術修行をしてくれないか?」
「例の?この傘事件に終止符を打てる魔術?」
「ああ。だが一番初めにも言ったが一番大切なものを失うことになるらしい。もしかしたらお前が犠牲になるかもしれない。俺でもいいんだが、おじさんにはもう魔力は残ってなくてな。それこそあんな大魔術、使っただけで死にそうだ。」
と言い笑った。
「歩夢…?」
今まで空気を読んで黙っていた霞が口を開いた。おそらく僕を心配してだろう。だが僕の答えはもう決まっている。
「やるよ。おじさん。」
「歩夢…?本気なの?」
「本当か? なら明日から始めよう。今日は一日寝てろ。」
「ごめんな。霞。だけどここで止めなきゃ霞がまた酷い目にあう。それだけは避けたい。」
「わかった。けど私もサポートする。」
「学校は?」
「そんなのサボるに決まってるよ。」
「決まってるのか… 」
これには呆れるしかなかった。ここまで言われたら途中で諦めるなんてこと絶対にできない。何が何でもやり遂げなければならなくなってしまった。
「いっちょ頑張りますか。」
と自分に喝を入れ、今日は一日ぐっすり寝ることにした。
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