傘に魔法が宿ったら

ゆず太郎

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第2章

第9話 ショッピングモール part2

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「キャーーー‼︎ 」
爆発音がした瞬間に外からの爆風で、大きな悲鳴が上がった。爆発といっても恐らく街が吹っ飛ぶとかではなく、部分的に狙われたと推測する。
「あ、歩夢? なんだか怖いよ。」
「落ち着いて。これから僕は爆心地を見に行こうと思うんだけど霞はここにいてくれないか? まぁ現場を見るのは興味本位でしかないんだけど。」
「い、いや。怖いけど…歩夢と離れたら一生会えなくなりそうで… 」
そう言って上目遣いでこちらを見てくる。こうされれば僕は手打ちができない。
「わかった。でも危ないと思ったら絶対逃げるんだよ。最低限は守るけど。」
「うん…ありがとう。」
「じゃあ行こうか。」
と言って手を繋いで銀行を出た。これがこの時点では好手、その後は僕の人生を変えてしまうほどの大悪手となるとは思わなかった。

銀行を出た僕らが外から見た光景は凄まじいものだった。おそらく爆心地である大型ショッピングモールは遠くからでもわかるほどう壁が黒ずんでいる。そして一つ一つがかなりの広さを誇り、別棟まであるこのショッピングモールの全ての窓ガラスが割れて200メートルくらい離れているはずの駐車場にもガラスの破片が飛び散っていた。怪我人も多く、傷を負った人が何人もいる。
「こ、これは… とんでもないな… 」
「そ、そうだね… 」
ショッピングモールに燃えているわけではないため、おそらく黒の傘の影響だろう。しかも大型ショッピングモールの全域にわたって被害が出たのだから相当高価なものなのだろう。ここまで用意周到だと無差別殺人ではないというのが現時点での僕の予想だった。
「とりあえず中は入れなそうだし。銀行に戻る? 」
「う、うん。」
その時だった。
ピカッと思うと光りが波動のように襲って視界を塞ぎ、とても大きな爆発音が耳を襲った。遮蔽物のない駐車場だからだろうか、さっきの爆発よりも大きい気がする。
「こ、今度は…どこが… 」
それがわかるまでに時間はそんなに必要ではなかった。それは…
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