24 / 38
第2章
第3話 向日葵
しおりを挟む
「いや、やっぱり考えさせてください。」
僕は今までの話を踏みにじるような曖昧な返事をハッキリと告げた。
「なんでだ。理由を聞かせてもらえるか? 」
「少し怖くなりました。いくら物といっても大切なもの。何を失うかわからない。それに僕も体力は自信ないです。」
そう言って微笑を浮かべる僕を見て叔父も笑い出した。
「そうか。そうか。それならしょうがない。だがまだ諦めたんじゃないからな。」
アニメでたまにいる主人公のライバルキャラのようなセリフを吐いてから、僕の肩をポンと叩き奥の部屋に入って行った。
一方、霞はというと。
「いくら大事な用だからって、追い出さなくても。」
木々が生い茂る長閑な風景を境内から出るようにまっすぐ敷き詰められた石の上を歩く。ただまっすぐ。門の外に出て、歩いていた。見知らぬ土地を。
20分くらい歩いても景色は変わらず田園風景が広がる山奥でしかなかった。
「帰ろうかな。」
そう言いながら霞は来た道を引き返す。何にもない穏やかな道を。
「もう少しあとなら向日葵が一面に咲いてたかもしれなのに… 」
霞は残念そうに独り言を呟いた。
そしてゆっくり歩き始めた。
次はいつ来られるかわからないこの道を深く印象づけるように。穏やかで何もない、美しい自然を。
ーーーーーーーーーーーーーーー
今回も読んでいただきありがとうございます(^^)
今回は少々ノスタルジックな感じにしてみました。向日葵の花言葉は「あなただけを見つめる」という意味があるそうです。この後2人はどうなるのでしょうか?
実は私自身も気になっております( ^ω^ )
これからも傘に魔法が宿ったらをよろしくお願いします。
僕は今までの話を踏みにじるような曖昧な返事をハッキリと告げた。
「なんでだ。理由を聞かせてもらえるか? 」
「少し怖くなりました。いくら物といっても大切なもの。何を失うかわからない。それに僕も体力は自信ないです。」
そう言って微笑を浮かべる僕を見て叔父も笑い出した。
「そうか。そうか。それならしょうがない。だがまだ諦めたんじゃないからな。」
アニメでたまにいる主人公のライバルキャラのようなセリフを吐いてから、僕の肩をポンと叩き奥の部屋に入って行った。
一方、霞はというと。
「いくら大事な用だからって、追い出さなくても。」
木々が生い茂る長閑な風景を境内から出るようにまっすぐ敷き詰められた石の上を歩く。ただまっすぐ。門の外に出て、歩いていた。見知らぬ土地を。
20分くらい歩いても景色は変わらず田園風景が広がる山奥でしかなかった。
「帰ろうかな。」
そう言いながら霞は来た道を引き返す。何にもない穏やかな道を。
「もう少しあとなら向日葵が一面に咲いてたかもしれなのに… 」
霞は残念そうに独り言を呟いた。
そしてゆっくり歩き始めた。
次はいつ来られるかわからないこの道を深く印象づけるように。穏やかで何もない、美しい自然を。
ーーーーーーーーーーーーーーー
今回も読んでいただきありがとうございます(^^)
今回は少々ノスタルジックな感じにしてみました。向日葵の花言葉は「あなただけを見つめる」という意味があるそうです。この後2人はどうなるのでしょうか?
実は私自身も気になっております( ^ω^ )
これからも傘に魔法が宿ったらをよろしくお願いします。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あなたなんて大嫌い
みおな
恋愛
私の婚約者の侯爵子息は、義妹のことばかり優先して、私はいつも我慢ばかり強いられていました。
そんなある日、彼が幼馴染だと言い張る伯爵令嬢を抱きしめて愛を囁いているのを聞いてしまいます。
そうですか。
私の婚約者は、私以外の人ばかりが大切なのですね。
私はあなたのお財布ではありません。
あなたなんて大嫌い。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり


手放したくない理由
ねむたん
恋愛
公爵令嬢エリスと王太子アドリアンの婚約は、互いに「務め」として受け入れたものだった。貴族として、国のために結ばれる。
しかし、王太子が何かと幼馴染のレイナを優先し、社交界でも「王太子妃にふさわしいのは彼女では?」と囁かれる中、エリスは淡々と「それならば、私は不要では?」と考える。そして、自ら婚約解消を申し出る。
話し合いの場で、王妃が「辛い思いをさせてしまってごめんなさいね」と声をかけるが、エリスは本当にまったく辛くなかったため、きょとんとする。その様子を見た周囲は困惑し、
「……王太子への愛は芽生えていなかったのですか?」
と問うが、エリスは「愛?」と首を傾げる。
同時に、婚約解消に動揺したアドリアンにも、側近たちが「殿下はレイナ嬢に恋をしていたのでは?」と問いかける。しかし、彼もまた「恋……?」と首を傾げる。
大人たちは、その光景を見て、教育の偏りを大いに後悔することになる。

【コミカライズ&書籍化・取り下げ予定】お幸せに、婚約者様。私も私で、幸せになりますので。
ごろごろみかん。
恋愛
仕事と私、どっちが大切なの?
……なんて、本気で思う日が来るとは思わなかった。
彼は、王族に仕える近衛騎士だ。そして、婚約者の私より護衛対象である王女を優先する。彼は、「王女殿下とは何も無い」と言うけれど、彼女の方はそうでもないみたいですよ?
婚約を解消しろ、と王女殿下にあまりに迫られるので──全て、手放すことにしました。
お幸せに、婚約者様。
私も私で、幸せになりますので。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる