傘に魔法が宿ったら

ゆず太郎

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第2章

第1話 本家

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昨日のメールを受け、八王子に…来たのはいいのだが………
「なんで霞がっ⁉︎」
「昨日誰かからメールもらってたから。本当に浮気じゃないか確かめに…」
「だから言っただろ。浮気じゃないって。」
そんな会話をしながら八王子駅前から要倉山の方に向かって歩き出した。そんなに有名な寺ではないため観光客は少ない(ほぼいない)が地元民とは交流が深い。元々人口も少ないため、全員が顔見知りで知り合いのようなものだ。
「やっとバスに乗れた。」
「ほんと全然こないんだもん。」
「こんな田舎だったなんて思ってもなかっただろ。こんなところでどうやって浮気なんてするんだよ。」
「それは…農家やってるお姉さんとか? 」
「それはそれでありかもしれない… 」
「… 歩夢のバカーーーーー‼︎‼︎ もう知らないもん! 」
涙目になりながら、顔を真っ赤にして怒り出す霞を見て本当に浮気なんてしたら殺られるなとゾッとしながら、冗談だと慰め、バス車内で大声を出したことを嗜める。
「でも原因を作ったのは歩夢だもん… 」
「ごめんごめん。」
そんな他愛もない話をしながら1時間程バスに揺られ、麓の村に着く。そこから並木道を10分程歩くとうちの寺に着く。寺の境内を少し進み右に曲がるとそこそこ大きな和風建築の家が建っている。
「おはよう。歩夢~ 呼び出して悪かった。」
と寺の住職とは思えないほど元気で大きな声で叫んでいるのが僕の叔父だ。
「おはよう。おじさん。それで早速なんだけど…」
「おお。歩夢、隣にいるのは? 」
「霞と言います。歩夢くんとは交際させていただいております。」
「お、おじさん? 」
叔父は霞に驚きと如何わしい目を向けるので反射的に霞を守ってしまう。
「いや~ ついつい。悪かったよ。」
「本当だよ! おじさん。」
「霞ちゃんもごめんね。」
「いえ、大丈夫です。」
と言いながらも少し疑っているような視線を送る霞に
「根はいい人だから。」
と叔父のフォローを入れる。
そんな感じで霞と叔父の初顔合わせは無事?に終了した。




ーーーーーーーーーーーーーーー
本編の読了ありがとうございます(^^)
今回から2章となりましたので、同時にあとがきも可能な限り書こうと思います。2章は傘の呪い(仮)の核心に迫っていきたいと思っています。
これからも「傘に魔法が宿ったらをよろしくお願いします。
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