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第1章
第17話 同棲(お泊り)1日目 part1
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「ただいま。」
「おかえり。母さん。」
「おかえりなさいませ。お義母さん」
「何で、霞ちゃんが? 」
「ちょっと訳があってな。」
「また何かあったの? 」
「うん。」
今までの流れを主要部分だけ抜き取り、それを母に順を追って説明した。
その内容は、前の話に書いてあるので割愛する。
「まぁそんな訳だ。しばらく置かせてやってくれないか? 」
「それだったら、ご両親も危ないんじゃないの?」
「まぁそうだけど… 」
「両親なら大丈夫だと思います。それに私だけでもご迷惑をおかけするのに流石にあと2人もお邪魔になるわけには。」
「いやいや大丈夫よ。未来のお嫁さんのご両親には仲良くしておかないとね。」
「なら僕と霞が声かけるよ。その方が理由とか諸々ちゃんと話せるし、向こうもあまり遠慮もしないで済むだろう。」
「うん。わかった。本当に大丈夫ですか?」
「もちろん。」
そう言いながら母は笑った。本当に歓迎しているのだろう。
そんな形で僕らの同棲生活はのほほんとした雰囲気で始まった。
「あの少しよろしいでしょうか?」
仕事帰りの霞のお父さんに声をかけた。
「ああ~ 歩夢くんか。しばらく見ない間に大きくなって。でどんな要件なのかな? 」
「あの唐突ですみませんが、うちに泊まっていただけないでしょうか? 」
「それはまた、なぜ? 」
「霞さんのお祖父さんが亡くなられたのはご存知でしょうか?」
「ああ。知っているとも。でもなぜそれを君が? 」
「登校中に見てしまったんです。現場を。それで霞さんが少し体調を悪くしたみたいで。一回帰ったんですよ。」
「学校に連絡は? 」
「うちの母がしていると思います。」
「それで、」
「はい。しばらくすると霞さんの家あたりからすごい物音がしたので窓から確認して見たら、ブランド物の黒い傘を持った黒づくめの男が。」
「大体わかった。それで今後狙われるかもしてない。と? 」
「はい。一応黒づくめの男は警察に突き出しましたが、いつもう一度来るかわからないので。」
「お父さん。私からも。向こうのお義母さんからは、了承をもらってるから。」
「いや、でも、困るんじゃないのか?」
「うちはむしろ歓迎と言いますか… 」
「というか今、霞 “お義母さん”って。一体どういう関係なんだ? 」
流石は霞の父親。勘が鋭い。と内心思ったが、それを口に出すのはいささか失礼なので声には出さなかった。
その件についていち早く返答したのは霞だった。
「歩夢と私、付き合ってるの‼︎ 」
「えっ…?」
お父さんは唖然としていて、口をポカーンと開けている。
「すみません。切り出せなくて。」
だがあまり嫌そうな顔はせず、むしろよろしくお願いします。という顔だった。
「君なら安心だよ。霞をよろしく。 」
「はい。もちろんです。」
付き合ってまだ12時間くらいなのにはやくも親公認のカップルとなってしまった。もちろん校則は守るが。
「本当にお邪魔しても良いんですか?」
「うちの母は賑やかになるわ~!って張り切ってて… 今日のご飯はとんでもない量になる気がするので、来てもらわないと逆に困ると言いますか… 」
「じゃあ申し訳ないけど泊まらせていただこうかな。でもその前に着替えとか取りに行ってきます。」
「あっ!私も。」
「わかりました。それではまた。」
「はい。」
そう言って霞と霞の父親は自宅へと一旦帰り、僕も帰宅した。
しばらくして僕は霞を彼女として家に招き入れる本当の怖さを知ることとなる。
「おかえり。母さん。」
「おかえりなさいませ。お義母さん」
「何で、霞ちゃんが? 」
「ちょっと訳があってな。」
「また何かあったの? 」
「うん。」
今までの流れを主要部分だけ抜き取り、それを母に順を追って説明した。
その内容は、前の話に書いてあるので割愛する。
「まぁそんな訳だ。しばらく置かせてやってくれないか? 」
「それだったら、ご両親も危ないんじゃないの?」
「まぁそうだけど… 」
「両親なら大丈夫だと思います。それに私だけでもご迷惑をおかけするのに流石にあと2人もお邪魔になるわけには。」
「いやいや大丈夫よ。未来のお嫁さんのご両親には仲良くしておかないとね。」
「なら僕と霞が声かけるよ。その方が理由とか諸々ちゃんと話せるし、向こうもあまり遠慮もしないで済むだろう。」
「うん。わかった。本当に大丈夫ですか?」
「もちろん。」
そう言いながら母は笑った。本当に歓迎しているのだろう。
そんな形で僕らの同棲生活はのほほんとした雰囲気で始まった。
「あの少しよろしいでしょうか?」
仕事帰りの霞のお父さんに声をかけた。
「ああ~ 歩夢くんか。しばらく見ない間に大きくなって。でどんな要件なのかな? 」
「あの唐突ですみませんが、うちに泊まっていただけないでしょうか? 」
「それはまた、なぜ? 」
「霞さんのお祖父さんが亡くなられたのはご存知でしょうか?」
「ああ。知っているとも。でもなぜそれを君が? 」
「登校中に見てしまったんです。現場を。それで霞さんが少し体調を悪くしたみたいで。一回帰ったんですよ。」
「学校に連絡は? 」
「うちの母がしていると思います。」
「それで、」
「はい。しばらくすると霞さんの家あたりからすごい物音がしたので窓から確認して見たら、ブランド物の黒い傘を持った黒づくめの男が。」
「大体わかった。それで今後狙われるかもしてない。と? 」
「はい。一応黒づくめの男は警察に突き出しましたが、いつもう一度来るかわからないので。」
「お父さん。私からも。向こうのお義母さんからは、了承をもらってるから。」
「いや、でも、困るんじゃないのか?」
「うちはむしろ歓迎と言いますか… 」
「というか今、霞 “お義母さん”って。一体どういう関係なんだ? 」
流石は霞の父親。勘が鋭い。と内心思ったが、それを口に出すのはいささか失礼なので声には出さなかった。
その件についていち早く返答したのは霞だった。
「歩夢と私、付き合ってるの‼︎ 」
「えっ…?」
お父さんは唖然としていて、口をポカーンと開けている。
「すみません。切り出せなくて。」
だがあまり嫌そうな顔はせず、むしろよろしくお願いします。という顔だった。
「君なら安心だよ。霞をよろしく。 」
「はい。もちろんです。」
付き合ってまだ12時間くらいなのにはやくも親公認のカップルとなってしまった。もちろん校則は守るが。
「本当にお邪魔しても良いんですか?」
「うちの母は賑やかになるわ~!って張り切ってて… 今日のご飯はとんでもない量になる気がするので、来てもらわないと逆に困ると言いますか… 」
「じゃあ申し訳ないけど泊まらせていただこうかな。でもその前に着替えとか取りに行ってきます。」
「あっ!私も。」
「わかりました。それではまた。」
「はい。」
そう言って霞と霞の父親は自宅へと一旦帰り、僕も帰宅した。
しばらくして僕は霞を彼女として家に招き入れる本当の怖さを知ることとなる。
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