傘に魔法が宿ったら

ゆず太郎

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第1章

第13話 教師 II 英語+α

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そのあと理由を話し、解放された。
2人とも遅刻は常習犯ではなく今まで1回もしたことがなかったし、理由が理由だったので注意喚起程度で済んだ。
「もういないといいけどね。」
「そうだな。もう二度とやりたくない。」と言いながら廊下を歩く。
本当に注意喚起程度だったので休み時間ではなく、ホームルームと1時間目の間に呼び出された。
「それはそうと1時間目なんだっけ?」
「えっと…今日は火曜日だから…英語だったと思うけど…」
「さっすが優等生(笑)」
「もうからかわないでよ。(笑)」
そんな話をしていると決まって…
ピーン ポーン パーン ポーン
と予鈴のチャイムが鳴ってしまう。
「急がないとね…あと5分くらいで始まっちゃう。」
「ああ。」
でもダッシュする距離でも無いので、気持ち早めに歩く。
授業まであと3分弱といったところで教室に到着し、すぐに教科書を取り出し机に並べる。
僕は置き勉中なのでロッカーから取り出すが、霞は自分のバックから教科書を取り出す。さすがだな~と感心していると、ガラガラガラと扉を開け英語の教師が教室に入ってきた。
「それでは授業を始めます。」
着任5年目の20代後半女性教師が英語の教科担任で、結構美人で男女問わず人気がある反面授業がつまらない。という意見が多い。だが字はとても綺麗なので見ていられないわけではない。
「open your textbook to page20」
英語教師なので当然かもしれないがやけに授業で英語を使ってくる(発音はあんまり良くない。)のでちょいちょい発音にイライラしたり文字と顔で癒されたりといったすごく忙しい授業だ。今日の授業も相変わらず忙しく、普段イライラしない霞でさえすごい顔で先生を睨みつけている。
そんな空間がいつまでも続くのは耐え難い。ので45分後。
「ふぅ~。」
「霞?先生のことすごい顔で睨んでたけど大丈夫?」
「えっ⁈やだ⁉︎そんな顔してた?」
「うん。今にもシャーペン折りそうな顔…」
「見てたんなら、声かけてよ。」
「ごめんって。」
「まぁいいけど。」
霞はフンッとそっぽを向いてしまった。何か機嫌を損ねるようなことでもいったのだろうか…
「お取り込み中のところ悪いんだけど…」
「直政くん。どうかした?」
霞が声をかけると、すごく紳士的な声で
「学校を案内してもらえないかな?」
「それだったら学級委員の鈴木さんにお願いしたら?」
直政のわがままに近いお願いにすごく丁寧な口調でド正論をぶつけると直政は
「僕は霞さんがいいんだ。」
僕は心の中で“どこの乙女ゲーのキャラクターだよ‼︎”と叫ぶがその声は彼には届かない。
「それだったら、仕方ないけど…」
「早速、今日の放課後は?」
その結果霞と直政、となぜか僕の3人で学校を回ることとなった。
僕が行くことになったのは霞の希望だ。まぁどうせ知り合ったばかりで何されるかわからないからボディーガードとしてという意味なのだろう。
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