11 / 38
第1章
第10話 復讐
しおりを挟む
あいつとは半年前
クラスの中の成りヤン4人組に激しいいじめを受け、不登校になった田中。違うクラスの僕でもこの話はかなり有名で他人とあまり交流がない僕でも知っている。
だとしてもなぜここ(昇降口)を事件現場にしようとしたのか…
「いや…そういうことか?」
「何か分かったの?」
独り言でつぶやく僕に霞は疑問をぶつける。
「確信ってわけじゃないんだけど…もしかしたら~見たいな?」
「まぁ今の状態ならね。」
いや…確信できる事が一つ、そのいじめっ子はチャイムが鳴る瞬間に教室を飛び出しチャイムが鳴り終わる頃には学校の外にいる(一般生徒で教室によって異なるが2分はかかる)。という噂すら流れる瞬足の陸上部四天王。と言われるくらい帰るのが下校開始時間がわかりやすいため犯行を仕掛けるが容易である。だがどうやって?いままで起きた事件では大概の傘の周りにいた周囲の人間が近ければ近いほど影響は大きかった。でもなぜ使われていた「傘は赤い傘…黒い傘と違い、炎が燃え広がるだけなので防火服を着ていれば普通に防げるのか?」
だったら…近くにいるかもしれない。
もしかしたら2回目の事件を起こそうとしている…?
僕が田中だったら次に仕掛けるのは、
自分の教室?それとも職員室…?
僕は迷わず選んだ。答えは職員室。
理由は陸部四天王を停学もしくは退学にするかしないかの議論でその生徒たちは大会で4人とも凄い成績を残しているため退学や停学には出来ず、このいじめをなかった様に仕立てたからである。
「だったら少しヤバいよな…」
「?何が?」
「ごめん…霞ちょっと行かなきゃいけないところができた。」
「じゃあ私も…」
「本当にすぐ終わるからまってて。」
それを言い放った直後、ここから2棟(うちの学校はやけに広く校舎だけで7棟、体育館と格技場は2つずつある。)離れた職員室のある校舎まで全力疾走。
すると…案の定田中はそこにいた。
しかも傘を開きかけた状態で。
「あなたは?」
「隣のクラスの神無月だ。傘を下ろせ。」
「嫌ですよ。今から復讐するんです。僕をダメにしたこの学校に…」
次の瞬間、僕は田中に体育の授業で習った背負い投げをして体制を崩してから持っていた傘を田中の手から離し廊下に投げ捨て、それから袈裟固めをして奴を動けない様にした。
「なんでこんな事したんだ?」
「だから言ってるじゃないですか~復讐のためだと。」
「じゃあその持っている黒い傘はなんだ?黒い傘は爆発の能力があるって知っててなのか?」
「そうなんですか?といっても信じてもらえそうにないですよね。そうですよ。知ってました。」
「それなら復讐じゃなくて自殺だろ。」
「そうですよ。復讐兼自殺といったところでしょうか?」
「右手に持ってる鞄はなんだ?」
「ああ。これですか?防火服ですよ。何か問題が?」
「わかった。なんでもない。」
自分の予想があまりにも的中するので心の中で苦笑した。
その後、すぐに近隣住民から火災で警察や消防が駆けつけたため、事件はすぐに解決し田中は警察署へ向かった。
学校側もいじめを認め、一件はとりあえず幕を閉じた。
クラスの中の成りヤン4人組に激しいいじめを受け、不登校になった田中。違うクラスの僕でもこの話はかなり有名で他人とあまり交流がない僕でも知っている。
だとしてもなぜここ(昇降口)を事件現場にしようとしたのか…
「いや…そういうことか?」
「何か分かったの?」
独り言でつぶやく僕に霞は疑問をぶつける。
「確信ってわけじゃないんだけど…もしかしたら~見たいな?」
「まぁ今の状態ならね。」
いや…確信できる事が一つ、そのいじめっ子はチャイムが鳴る瞬間に教室を飛び出しチャイムが鳴り終わる頃には学校の外にいる(一般生徒で教室によって異なるが2分はかかる)。という噂すら流れる瞬足の陸上部四天王。と言われるくらい帰るのが下校開始時間がわかりやすいため犯行を仕掛けるが容易である。だがどうやって?いままで起きた事件では大概の傘の周りにいた周囲の人間が近ければ近いほど影響は大きかった。でもなぜ使われていた「傘は赤い傘…黒い傘と違い、炎が燃え広がるだけなので防火服を着ていれば普通に防げるのか?」
だったら…近くにいるかもしれない。
もしかしたら2回目の事件を起こそうとしている…?
僕が田中だったら次に仕掛けるのは、
自分の教室?それとも職員室…?
僕は迷わず選んだ。答えは職員室。
理由は陸部四天王を停学もしくは退学にするかしないかの議論でその生徒たちは大会で4人とも凄い成績を残しているため退学や停学には出来ず、このいじめをなかった様に仕立てたからである。
「だったら少しヤバいよな…」
「?何が?」
「ごめん…霞ちょっと行かなきゃいけないところができた。」
「じゃあ私も…」
「本当にすぐ終わるからまってて。」
それを言い放った直後、ここから2棟(うちの学校はやけに広く校舎だけで7棟、体育館と格技場は2つずつある。)離れた職員室のある校舎まで全力疾走。
すると…案の定田中はそこにいた。
しかも傘を開きかけた状態で。
「あなたは?」
「隣のクラスの神無月だ。傘を下ろせ。」
「嫌ですよ。今から復讐するんです。僕をダメにしたこの学校に…」
次の瞬間、僕は田中に体育の授業で習った背負い投げをして体制を崩してから持っていた傘を田中の手から離し廊下に投げ捨て、それから袈裟固めをして奴を動けない様にした。
「なんでこんな事したんだ?」
「だから言ってるじゃないですか~復讐のためだと。」
「じゃあその持っている黒い傘はなんだ?黒い傘は爆発の能力があるって知っててなのか?」
「そうなんですか?といっても信じてもらえそうにないですよね。そうですよ。知ってました。」
「それなら復讐じゃなくて自殺だろ。」
「そうですよ。復讐兼自殺といったところでしょうか?」
「右手に持ってる鞄はなんだ?」
「ああ。これですか?防火服ですよ。何か問題が?」
「わかった。なんでもない。」
自分の予想があまりにも的中するので心の中で苦笑した。
その後、すぐに近隣住民から火災で警察や消防が駆けつけたため、事件はすぐに解決し田中は警察署へ向かった。
学校側もいじめを認め、一件はとりあえず幕を閉じた。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あなたなんて大嫌い
みおな
恋愛
私の婚約者の侯爵子息は、義妹のことばかり優先して、私はいつも我慢ばかり強いられていました。
そんなある日、彼が幼馴染だと言い張る伯爵令嬢を抱きしめて愛を囁いているのを聞いてしまいます。
そうですか。
私の婚約者は、私以外の人ばかりが大切なのですね。
私はあなたのお財布ではありません。
あなたなんて大嫌い。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり


手放したくない理由
ねむたん
恋愛
公爵令嬢エリスと王太子アドリアンの婚約は、互いに「務め」として受け入れたものだった。貴族として、国のために結ばれる。
しかし、王太子が何かと幼馴染のレイナを優先し、社交界でも「王太子妃にふさわしいのは彼女では?」と囁かれる中、エリスは淡々と「それならば、私は不要では?」と考える。そして、自ら婚約解消を申し出る。
話し合いの場で、王妃が「辛い思いをさせてしまってごめんなさいね」と声をかけるが、エリスは本当にまったく辛くなかったため、きょとんとする。その様子を見た周囲は困惑し、
「……王太子への愛は芽生えていなかったのですか?」
と問うが、エリスは「愛?」と首を傾げる。
同時に、婚約解消に動揺したアドリアンにも、側近たちが「殿下はレイナ嬢に恋をしていたのでは?」と問いかける。しかし、彼もまた「恋……?」と首を傾げる。
大人たちは、その光景を見て、教育の偏りを大いに後悔することになる。

【コミカライズ&書籍化・取り下げ予定】お幸せに、婚約者様。私も私で、幸せになりますので。
ごろごろみかん。
恋愛
仕事と私、どっちが大切なの?
……なんて、本気で思う日が来るとは思わなかった。
彼は、王族に仕える近衛騎士だ。そして、婚約者の私より護衛対象である王女を優先する。彼は、「王女殿下とは何も無い」と言うけれど、彼女の方はそうでもないみたいですよ?
婚約を解消しろ、と王女殿下にあまりに迫られるので──全て、手放すことにしました。
お幸せに、婚約者様。
私も私で、幸せになりますので。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる