10 / 12
第1楽章 吹奏楽部と入学式と仮入部
第7小節 ベーの音
しおりを挟む
それを聞いた先輩はとても上機嫌になり、えへへとニコニコしながら
「そ、そうかなあ~ 」
と定型文で返した。だが表情がわかりやすすぎる。ここまで後輩に褒められて嬉しがる先輩が他にいるのだろうか。
「じゃあ気を取り直して。」
と自分に喝を入れるように言うと、
「左手の親指を後ろの黒いのに当てて、右手の親指を黒いフックをみたいなのにかけて。」
と指示してきた。サックスを後ろに向けると、すごくわかりやすく金の部分と黒い部分が分かれている。それを指示通りに左手は黒いところに当て、右手をフックに掛けた。ぴったり親指にハマるように作られているのは、職人の技なのだろうか。
「そうそう。じゃあ次ね。アルトリコーダーのド、ソプラノリコーダーのソの音の指って言ったらわかるかな?」
「はい。」
「じゃあその指で大きい白いボタンだけを押してみて。」
「はい。」
最初はなんのことか全く分からなかったが、表にして白いところを見ると大きさが小さいが一つと大きいのが一つに分かれていた。それを間違わないように大きいもののみを押す。
「そうそう。そこよく新入生は押し間違えちゃうんだよね。じゃあ次は。
押したままさっきみたいにマウスピースをくわえて、音出してみようか。」
ポーーーーーーーーー
「やっぱり素質あるね。うまいよ。
ちなみにこれがアルトサックスの基準となる音でドレミで言うところのソ。
なんだけど、覚えて欲しいのはむしろドイツ音名で、それだとベーっていうの。」
「ドイツ音名?ベー?ってなんですか?」
「ドイツ音名はその名の通り、ドイツで呼ばれてるドレミの呼び方。ちなみにドレミっていうのは確かイタリアで
日本はハニホヘトイロハ。アメリカだとアルファベット読みでAとかCとか言うよ。」
「…はい。」
「それでB♭って書いてベーって読むんだ。」
先輩がわかりやすくノートに書いて教えてくれる。
「ちなみにドイツ音名での音階は
基本的なやつだとB♭ C D E♭ F G A B♭だよ。読み方はベー ツェーデーエス エフ ゲー アー ベー。」
「そうなんですね。」
これまたわかりやすかったのですんなり頭に入る。この先輩本当に教えるのが上手い。
「じゃああんまり時間ないからぱっぱと行くよ。」
「そ、そうかなあ~ 」
と定型文で返した。だが表情がわかりやすすぎる。ここまで後輩に褒められて嬉しがる先輩が他にいるのだろうか。
「じゃあ気を取り直して。」
と自分に喝を入れるように言うと、
「左手の親指を後ろの黒いのに当てて、右手の親指を黒いフックをみたいなのにかけて。」
と指示してきた。サックスを後ろに向けると、すごくわかりやすく金の部分と黒い部分が分かれている。それを指示通りに左手は黒いところに当て、右手をフックに掛けた。ぴったり親指にハマるように作られているのは、職人の技なのだろうか。
「そうそう。じゃあ次ね。アルトリコーダーのド、ソプラノリコーダーのソの音の指って言ったらわかるかな?」
「はい。」
「じゃあその指で大きい白いボタンだけを押してみて。」
「はい。」
最初はなんのことか全く分からなかったが、表にして白いところを見ると大きさが小さいが一つと大きいのが一つに分かれていた。それを間違わないように大きいもののみを押す。
「そうそう。そこよく新入生は押し間違えちゃうんだよね。じゃあ次は。
押したままさっきみたいにマウスピースをくわえて、音出してみようか。」
ポーーーーーーーーー
「やっぱり素質あるね。うまいよ。
ちなみにこれがアルトサックスの基準となる音でドレミで言うところのソ。
なんだけど、覚えて欲しいのはむしろドイツ音名で、それだとベーっていうの。」
「ドイツ音名?ベー?ってなんですか?」
「ドイツ音名はその名の通り、ドイツで呼ばれてるドレミの呼び方。ちなみにドレミっていうのは確かイタリアで
日本はハニホヘトイロハ。アメリカだとアルファベット読みでAとかCとか言うよ。」
「…はい。」
「それでB♭って書いてベーって読むんだ。」
先輩がわかりやすくノートに書いて教えてくれる。
「ちなみにドイツ音名での音階は
基本的なやつだとB♭ C D E♭ F G A B♭だよ。読み方はベー ツェーデーエス エフ ゲー アー ベー。」
「そうなんですね。」
これまたわかりやすかったのですんなり頭に入る。この先輩本当に教えるのが上手い。
「じゃああんまり時間ないからぱっぱと行くよ。」
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説


百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


十の結晶が光るとき
濃霧
青春
県で唯一の女子高校野球部が誕生する。そこに集った十人の部員たち。初めはグラウンドも荒れ果てた状態、彼女たちはさまざまな苦難にどう立ち向かっていくのか・・・
[主な登場人物]
内藤監督 男子野球部監督から女子野球部監督に移った二十代の若い先生。優しそうな先生だが・・・
塩野唯香(しおのゆいか) このチームのエース。打たせて取るピッチングに定評、しかし彼女にも弱点が・・・
相馬陽(そうまよう) 中学では男子に混じって捕手としてスタメン入りするほど実力は確か、しかし男恐怖症であり・・・
宝田鈴奈(ほうだすずな) 一塁手。本人は野球観戦が趣味と自称するが実はさらに凄い趣味を持っている・・・
銀杏田心音(いちょうだここね) 二塁手。長身で中学ではエースだったが投げすぎによる故障で野手生活を送ることに・・・
成井酸桃(なりいすもも) 三塁手。ムードメーカーで面倒見がいいが、中学のときは試合に殆ど出ていなかった・・・
松本桂(まつもとけい) 遊撃手。チームのキャプテンとして皆を引っ張る。ただ、誰にも言えない過去があり・・・
奥炭果歩(おくずみかほ) 外野手。唯一の野球未経験者。人見知りだが努力家で、成井のもと成長途中
水岡憐(みずおかれん) 外野手。部長として全体のまとめ役を務めている。監督ともつながりが・・・?
比石春飛(ひせきはるひ) 外野手。いつもはクールだが、実はクールを装っていた・・・?
角弗蘭(かどふらん) 外野手。負けず嫌いな性格だがサボり癖があり・・・?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる