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第1楽章 吹奏楽部と入学式と仮入部
第6小節 仮入部マジックその3 アルトサックス編
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「あっ⁈ ごめん。くわえ方教えてなかったね。」
どうやらどうやって息を吹き込むかを悩んでいた僕に気づいたらしく、先輩は慌ててそう言った。
「えっとね。この黒いのはマッピって言うの。本当はマウスピースって言うんだけど、省略してマッピって呼んでる。それでさっきのリードとマッピを止める役目をしているのがこのリガチャーね。」
「そうなんですか。」
「それでくわえ方はまず下唇を巻くって言ったらわかる?下側に丸め込んで、その上にマウスピースを乗っける感じ?そして思いっきり息を吹き込む!!!」
すごくわかりやすいジェスチャーをしながら教えてくれたので疑問に思うことは何もなかった。
「わかりました。やってみます。」
言われた通りにまず下唇を巻いて、その上にマウスピースを乗っける。
そして思いっきり吹く!!!
……………ピーーーーーー
「なった!!!すごいよ。おめでとう!!! 」
「あ、ありがとうございます。」
いきなりすごく高い声をあげたのでびっくりして、素っ気ない返事になってしまった。
「もう一回だけやってみようか。」
「はい。」
ピーーーーーー
今度はなるまでにタイムラグはなくすんなりなってくれた。
「君、本当にうまいね。」
「ありがとうございます。」
自分より喜んでる先輩に少し同様した。しかし今度は素っ気ない返事になら済んだのでよかった。
「次はこれだよ。」
と言って先輩は錆びかかった金色の六角レンチに穴を開けて丸くしたような形のものを僕に見せた。
「これは?」
「ネックって言うの。これを使うと少しサックスっぽい音にはなるけど、さっきみたいに簡単にはならないよ。」
「が、頑張ります。」
「その調子♪その調子♪」
さっきよりるんるんな先輩にマッピとネックをつけてもらい、いざ‼︎
プーーーーーーー
「えっ⁈」
先輩は驚きのあまり言葉を失っているみたいだった。今のは自分でも上手くいったと思ったけどそんなに驚くこと?とも思った。
「君すごいね。この楽器、というかこのネック壊れててならないって部内で有名なんだけど…」
「は、はあ…」
突然そんなことを言われてもなぁと思いながら、何気なくもう一回吹いてみる。
プーーーーーーー
「本当にすごいね。じゃあ最後はこれ。」
そして先輩は貸してと言いながら僕の手から優しくネックを取るとこれまた錆びかかった金色の細々した棒やボタンのようなものがたくさんついたものにネックをつけると、今度は僕にこれ付けてと黒い薄っぺらく硬い布のようなものを僕に渡してきた。
「説明するね。これがサックス本体。まぁ私も持ってたし察してるとは思うけど。それでこれがサックスを支えるためのストラップ。」
「へえ~そうなんですね。」
よくみると先輩も同じものをつけていた。だが1つ違うのは先輩のやつの方がかなり丈夫そうで高そうだった。
「真一くん。じゃあこれ少しかまえてみてくれる?」
「か、かまえる?」
「そう。こうやってストラップとサックス本体にあるリングを繋げて、マッピを咥えて。そのあとは思いっきり息を入れる!!! 」
とりあえず言われた通りにやってみた。この楽器はピアノと違い、かなり体の自由を奪われる。マッピに口が届かなくてあたふたしているとそれに気づいた先輩が笑顔でストラップの長さを調節してくれた。
「あ、ありがとうございます。」
「うん。むしろごめんね。すぐ気づけなかったから。」
「そんなそんな。」
「なら良かったけど。じゃあ気を取り直して吹いてみよっか。」
「はい!」
なんか勢いが大事な気がしたので一際威勢のいい声で返事をしてみた。
そして先輩の手本通りにマウスピースを咥えて、下唇を巻く。そこから思いっきり息を吹き込む!!!!!!!!
ポーーーーーーーーー
「⁈ すごいね!!! 君。このサックス、さっきも言った通りボロくて音が出しにくいって有名だったの。」
「そ、そうなんですか。先輩の言われた通りにやれば普通にできましたよ?
先輩の教え方がいいんでしょうか?」
と満面の笑みで返しておいた。
どうやらどうやって息を吹き込むかを悩んでいた僕に気づいたらしく、先輩は慌ててそう言った。
「えっとね。この黒いのはマッピって言うの。本当はマウスピースって言うんだけど、省略してマッピって呼んでる。それでさっきのリードとマッピを止める役目をしているのがこのリガチャーね。」
「そうなんですか。」
「それでくわえ方はまず下唇を巻くって言ったらわかる?下側に丸め込んで、その上にマウスピースを乗っける感じ?そして思いっきり息を吹き込む!!!」
すごくわかりやすいジェスチャーをしながら教えてくれたので疑問に思うことは何もなかった。
「わかりました。やってみます。」
言われた通りにまず下唇を巻いて、その上にマウスピースを乗っける。
そして思いっきり吹く!!!
……………ピーーーーーー
「なった!!!すごいよ。おめでとう!!! 」
「あ、ありがとうございます。」
いきなりすごく高い声をあげたのでびっくりして、素っ気ない返事になってしまった。
「もう一回だけやってみようか。」
「はい。」
ピーーーーーー
今度はなるまでにタイムラグはなくすんなりなってくれた。
「君、本当にうまいね。」
「ありがとうございます。」
自分より喜んでる先輩に少し同様した。しかし今度は素っ気ない返事になら済んだのでよかった。
「次はこれだよ。」
と言って先輩は錆びかかった金色の六角レンチに穴を開けて丸くしたような形のものを僕に見せた。
「これは?」
「ネックって言うの。これを使うと少しサックスっぽい音にはなるけど、さっきみたいに簡単にはならないよ。」
「が、頑張ります。」
「その調子♪その調子♪」
さっきよりるんるんな先輩にマッピとネックをつけてもらい、いざ‼︎
プーーーーーーー
「えっ⁈」
先輩は驚きのあまり言葉を失っているみたいだった。今のは自分でも上手くいったと思ったけどそんなに驚くこと?とも思った。
「君すごいね。この楽器、というかこのネック壊れててならないって部内で有名なんだけど…」
「は、はあ…」
突然そんなことを言われてもなぁと思いながら、何気なくもう一回吹いてみる。
プーーーーーーー
「本当にすごいね。じゃあ最後はこれ。」
そして先輩は貸してと言いながら僕の手から優しくネックを取るとこれまた錆びかかった金色の細々した棒やボタンのようなものがたくさんついたものにネックをつけると、今度は僕にこれ付けてと黒い薄っぺらく硬い布のようなものを僕に渡してきた。
「説明するね。これがサックス本体。まぁ私も持ってたし察してるとは思うけど。それでこれがサックスを支えるためのストラップ。」
「へえ~そうなんですね。」
よくみると先輩も同じものをつけていた。だが1つ違うのは先輩のやつの方がかなり丈夫そうで高そうだった。
「真一くん。じゃあこれ少しかまえてみてくれる?」
「か、かまえる?」
「そう。こうやってストラップとサックス本体にあるリングを繋げて、マッピを咥えて。そのあとは思いっきり息を入れる!!! 」
とりあえず言われた通りにやってみた。この楽器はピアノと違い、かなり体の自由を奪われる。マッピに口が届かなくてあたふたしているとそれに気づいた先輩が笑顔でストラップの長さを調節してくれた。
「あ、ありがとうございます。」
「うん。むしろごめんね。すぐ気づけなかったから。」
「そんなそんな。」
「なら良かったけど。じゃあ気を取り直して吹いてみよっか。」
「はい!」
なんか勢いが大事な気がしたので一際威勢のいい声で返事をしてみた。
そして先輩の手本通りにマウスピースを咥えて、下唇を巻く。そこから思いっきり息を吹き込む!!!!!!!!
ポーーーーーーーーー
「⁈ すごいね!!! 君。このサックス、さっきも言った通りボロくて音が出しにくいって有名だったの。」
「そ、そうなんですか。先輩の言われた通りにやれば普通にできましたよ?
先輩の教え方がいいんでしょうか?」
と満面の笑みで返しておいた。
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