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第1楽章 吹奏楽部と入学式と仮入部
第2小節 入学式その2
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たどり着いた学校の校門には大きな看板に達筆な筆字で『入学式』と書かれている。一体誰に書いているのかとかになるほど綺麗な字だった。その後昇降口に誘導され、クラスの人の名前が書かれている紙が全員に配布された。
亮介と僕はどうやら同じクラスのようで1年7組まである中の4組となった。
ひとまず友達については安心できそうだ。入学早々ぼっちなんてことになったらそれこそいじめにも繋がりかねない。心の中で安堵していると校舎から50歳前後の先生らしき人が出てきた。
「クラス分けの紙をもらった、新入生から校舎に入れ。場所は昇降口から校舎に入ってすぐの廊下に模造紙で書いてある。」
その声がかかった瞬間、ぞろぞろと校舎の中に入っていった。僕等も少し遅れて中に入る。校舎の中に入ると先生の言った通り、この近辺の地図が書いてある模造紙が貼ってあった。僕たちの教室である4組は1階の一番奥の教室だった。
「えっと… 1階の一番奥かぁ。」
「とりあえず行ってみようぜ。真一。」
「うん。」
そんな感じで4組の教室に向かう。
教室に入ると学校か疑うほどの光景が広がっていた。ここは動物園かと疑いたくなるレベルだ。とにかくうるさい。すごくうるさい。本当にうるさい。それなら水族館の方が僕にとって生きやすかったのに。などと考えている横で亮介は口をポカーンと開け唖然としている。
「こ、これはす、すごいな…」
「だな。」
小学校が平和過ぎたのだろうか。うち小学校はクラスが2クラスしかなく全員が顔見知りみたいな学校だったのであまり目立った悪さはなかった。最近は徐々に生徒数が増えているみたいだがそれでも3クラスが限界らしい。
どう育てたらこんな風になるのか、しかも入学前に。本当に疑問に思った。
20分後
「出席が取れましたので、これから体育館の方へ向かいます。2列に整列して下さい。」
先生の指示とともに立ち上がるって文句を言いながら並ぶ人。ふつうに並ぶ人。で最後にそもそも立ち上がろうとしない人。の3パターンに別れた。
僕は友達はちゃんと考えて作らないとな。と確信した。
「只今より第87回横浜市立仁丹中学校
入学式を始めます。1年生入場‼︎ 」
そして1年生の入場とともに吹奏楽部が明るい行進曲が流れ始めた。桜並木の中を歩いているような明るい曲調の。
自然と足が軽くなっていく。それからの記憶はあまりない。
「仮入部、吹奏楽部行ってみようかなぁ~」
と帰りの通学路でそう呟いた。
亮介はもともと小学校の金管バンドでパーカスだったので、最初からそのつもりらしいが。
「まじ⁈ じゃあ一緒に仮入部行こ。」
と最近の亮介の中ではダントツの嬉しそうな顔でそう言った。
「うん。もちろん。」
と僕もそれに負けないくらいの笑顔で返事をした。
亮介と僕はどうやら同じクラスのようで1年7組まである中の4組となった。
ひとまず友達については安心できそうだ。入学早々ぼっちなんてことになったらそれこそいじめにも繋がりかねない。心の中で安堵していると校舎から50歳前後の先生らしき人が出てきた。
「クラス分けの紙をもらった、新入生から校舎に入れ。場所は昇降口から校舎に入ってすぐの廊下に模造紙で書いてある。」
その声がかかった瞬間、ぞろぞろと校舎の中に入っていった。僕等も少し遅れて中に入る。校舎の中に入ると先生の言った通り、この近辺の地図が書いてある模造紙が貼ってあった。僕たちの教室である4組は1階の一番奥の教室だった。
「えっと… 1階の一番奥かぁ。」
「とりあえず行ってみようぜ。真一。」
「うん。」
そんな感じで4組の教室に向かう。
教室に入ると学校か疑うほどの光景が広がっていた。ここは動物園かと疑いたくなるレベルだ。とにかくうるさい。すごくうるさい。本当にうるさい。それなら水族館の方が僕にとって生きやすかったのに。などと考えている横で亮介は口をポカーンと開け唖然としている。
「こ、これはす、すごいな…」
「だな。」
小学校が平和過ぎたのだろうか。うち小学校はクラスが2クラスしかなく全員が顔見知りみたいな学校だったのであまり目立った悪さはなかった。最近は徐々に生徒数が増えているみたいだがそれでも3クラスが限界らしい。
どう育てたらこんな風になるのか、しかも入学前に。本当に疑問に思った。
20分後
「出席が取れましたので、これから体育館の方へ向かいます。2列に整列して下さい。」
先生の指示とともに立ち上がるって文句を言いながら並ぶ人。ふつうに並ぶ人。で最後にそもそも立ち上がろうとしない人。の3パターンに別れた。
僕は友達はちゃんと考えて作らないとな。と確信した。
「只今より第87回横浜市立仁丹中学校
入学式を始めます。1年生入場‼︎ 」
そして1年生の入場とともに吹奏楽部が明るい行進曲が流れ始めた。桜並木の中を歩いているような明るい曲調の。
自然と足が軽くなっていく。それからの記憶はあまりない。
「仮入部、吹奏楽部行ってみようかなぁ~」
と帰りの通学路でそう呟いた。
亮介はもともと小学校の金管バンドでパーカスだったので、最初からそのつもりらしいが。
「まじ⁈ じゃあ一緒に仮入部行こ。」
と最近の亮介の中ではダントツの嬉しそうな顔でそう言った。
「うん。もちろん。」
と僕もそれに負けないくらいの笑顔で返事をした。
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