紅龍  RED DRAGON

紋目

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 ゲイルはそう言うと、ファウン達に向かって炎を吐く。
 ファウンはレヴィとルナをかばう様に伏せる。
「ティール!」
 ティールが炎に包まれていく。
「ティールが、ティールが……」
 ルナはファウンの服を強く掴む。
「すまない……おまえ達も助けてやれねぇかも知れねぇ……」
 だが、炎はいつまで立っても、他に燃え移る様子が無い。
 炎の勢いが無くなり、そして消えた。
「ファウンあれ……」
 レヴィが、ファウンの後ろを指差す。
 振り向くとティールが背中を向けて、そこに立っていた。
「そんな炎で私は殺せない」
 ティールの赤い髪が、燃えるように逆立ち始め。
 そして、真っ赤なの姿へと変わった。
 ティールはを間を開けずに、間抜けな顔でティールを見ているゲイルに炎を吐き掛け。ゲイルの翼と肩を焼いた。
 ゲイルは人の姿に戻り、気を失っているらしく息はしているようだがピクリとも動かない。
「「ゲイル様!!」」
 素っ裸の情けない格好で二人の男達に担がれる ように、森の中へと消えて行った。
 ディールは振り向くと、長い首をそっと下ろしファウンの視線に合わせる。
「ティールお前……」
 ファウン達は呆然とした様子で、ティールを見ている。
「怖くて言えなかった……。その傷では歩いて戻れそうに無いな、みんな私の背中に乗って」
  三人が背中に乗ると、大きな翼を広げ静かに飛び立つ。

 その屋敷には、レヴィの父親ガネッシュと、その客らしい白髪の老人が着いていた。
  黒いローブの袖から出ている褐色の手は細く萎びれ。
 老人は白いを顎髭を触りながら北の森を見ている。
「ガネッシュ殿、どうやらわしの捜し人はもう見付けてしまったようじゃ」
 懐かしそうに目を細め、こちらに向かって飛んでくる真っ赤な龍を見上げている。
 「ガードナー様あれは紅龍ですか?」
 ガネッシュは驚いた顔をさせ空を見上げている。
 紅龍はガードナー老人の前に、静かに足を下ろした。
「おじいちゃん!? どうしてここに?」
 紅龍の姿のまま、ティールは驚いた顔でガードナーを見ている。
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