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「そうだな、又でかくなってんな」
懐かしそうに木に近付くと、ティール達が来た反対側の道か三人の男達が木の方へ近付いて来る。
そして、四人の前までやって来た。
皆、見た目は人間とそう変わらないだろう。
「おいお前ら邪魔だ。おや? おまえファウン じゃないか、仲間に友達が居無いんで人間と仲良くしている訳だ」
派手な服装をした細身の男が、酷薄な笑みを浮かべている。
「ゲイル……」
ファウンは露骨に嫌な顔をすと、ゲイルと一緒に来た他の二人も笑う。
「うるせぇな! 俺が誰と仲良くして様が関係ねえだろ!」
ファウンはゲイル達を睨みつける。
「ファウンのくせに口答えするな!」
ゲイルが軽く手を動かすと、ファウンの左肩が大きく裂けた。
ファウンは左肩を押え、その場に膝を着く。
「おまえ緑龍か!」
ティールが守るようにファウンの前に立つ。
「違う、こいつは紫龍だ……」
ファウンはティールの肩を掴み立ち上がる。
「ただの物真似さ……」
ゲイルは一瞬むっとした顔をしたが、すぐに薄ら笑いに変わる。
「そこの気の強いお嬢さんは、龍族の事を少しは知っているようだね。まぁ、そんな事はどうでも良い。お前達にはここで死んでもらう。気に入らないんだよ!」
ふと回りを見渡すと、ファウン達を囲むように炎が上がり始めた。
ファウンが炎に手をかざすと、炎は手の中に吸い込まれる様にして消えていく。
「俺には紅龍の血が、半分混ざってるのを忘れたのか?」
「ふん! じゃあこれはどうだ」
ゲイルの姿は見る間に着ていた服を破り、紫色をした龍に変わる。
「みんな逃げろ! 今の俺じゃあいつの炎は受けきれねえ」
ファウンは、龍に姿を変えたゲイルを悔しげに見上げる。
紫龍に姿を変えたゲイルは見下したように、高笑いを始めた。
「そうだよなあ、姿を変えれば肩の傷口が広がっちまうもんなぁ。ここに来たことを悔やむんだな」
懐かしそうに木に近付くと、ティール達が来た反対側の道か三人の男達が木の方へ近付いて来る。
そして、四人の前までやって来た。
皆、見た目は人間とそう変わらないだろう。
「おいお前ら邪魔だ。おや? おまえファウン じゃないか、仲間に友達が居無いんで人間と仲良くしている訳だ」
派手な服装をした細身の男が、酷薄な笑みを浮かべている。
「ゲイル……」
ファウンは露骨に嫌な顔をすと、ゲイルと一緒に来た他の二人も笑う。
「うるせぇな! 俺が誰と仲良くして様が関係ねえだろ!」
ファウンはゲイル達を睨みつける。
「ファウンのくせに口答えするな!」
ゲイルが軽く手を動かすと、ファウンの左肩が大きく裂けた。
ファウンは左肩を押え、その場に膝を着く。
「おまえ緑龍か!」
ティールが守るようにファウンの前に立つ。
「違う、こいつは紫龍だ……」
ファウンはティールの肩を掴み立ち上がる。
「ただの物真似さ……」
ゲイルは一瞬むっとした顔をしたが、すぐに薄ら笑いに変わる。
「そこの気の強いお嬢さんは、龍族の事を少しは知っているようだね。まぁ、そんな事はどうでも良い。お前達にはここで死んでもらう。気に入らないんだよ!」
ふと回りを見渡すと、ファウン達を囲むように炎が上がり始めた。
ファウンが炎に手をかざすと、炎は手の中に吸い込まれる様にして消えていく。
「俺には紅龍の血が、半分混ざってるのを忘れたのか?」
「ふん! じゃあこれはどうだ」
ゲイルの姿は見る間に着ていた服を破り、紫色をした龍に変わる。
「みんな逃げろ! 今の俺じゃあいつの炎は受けきれねえ」
ファウンは、龍に姿を変えたゲイルを悔しげに見上げる。
紫龍に姿を変えたゲイルは見下したように、高笑いを始めた。
「そうだよなあ、姿を変えれば肩の傷口が広がっちまうもんなぁ。ここに来たことを悔やむんだな」
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