20 / 33
青崎真司郎と本気
しおりを挟む
「断る? ククク……断るねえ。拒否権があると思ってんのか?」
言うと草戯原は深く長く息を吸いはじめる。
「まずは鼓膜をぶち破ってやるよ。」
体を反りあげて息を限界まで吸いきった草戯原は勝利を確信したように言う。そしてニヤリと笑うと反っていた体を勢いよく起こしながら声をあげ……
「ぐぅ!?」
その瞬間、思い拳の一撃が草戯原のみぞおちを強襲し、吸い込んだ空気も吐き出してしまう。痛みから目を血走らせた草戯原の目に写り込んできたのは自身の攻撃で動けないでいたはずの男だ。
「貴様……なぜだ、平衡感覚を奪い身動きの取れぬようにしたはずなのに?」
青崎はその言葉に反応せずもう一撃入れようとゆっくり拳を引く。
「少し舐めすぎたか。効果が予想より早く終わったようだ。ならば今度はもっと強くかけてやろう。」
草戯原はすうっと息を吸い目を見開く。
「おまえはあいつを殺した後でゆっくりと遊んでやるよ!!!」
今度は平衡感覚だけでなく神経を震わせて麻痺状態になるような一撃を青崎へ放つ。これでしばらく青崎は動けず、白松が無残に殺されるのをただ見ることしかできない、はずだった。
しかし青崎はなんの変化も見せず引いた拳を勢いよく草戯原の腹へと放つ。無抵抗なまま2発のパンチを受けた草戯原は驚愕の表情を浮かべて背中を丸めた状態で2歩ほど後退する。
「なんで……なんで……!? なんで立っていられる? 脳を神経を麻痺させたはずだ! 僕様の音は確かに貴様に!!」
「ん? あーえっと、慣れた?」
「慣れた? 僕様の攻撃をたった数秒で慣れたというのか?」
「なんか、ごめん。」
軽く合掌して謝る青崎に草戯原は表情を一変させて、大声をあげて笑い出した。
「おもしろい、貴様もただの雑魚ではないようだな。いいだろう! もう遊びなんてことは言わない。2人まとめて僕様が始末してやる。貴様にも現場を見られてしまっているわけだしな。」
「だからさあ、おまえと俺らにそこまで差があるかって言ってんだろうが!」
青崎が先手を取って殴りかかる。草戯原は先ほど以上のキレを見せて避ける。すぐさま草戯原もパンチを繰り出すが青崎がそれをさばいて軽々とした身のこなしで体をねじりながら軽くジャンプして草戯原にかかと落としをお見舞いする。草戯原は地面に叩きつけられると青崎の左足を掴み、起き上がりながら背負い投げの要領で青崎をぶん投げる。そのまま倒れた青崎に追い打ちをかけようと近づいてきた草戯原の顔を蹴り上げて青崎ははね起きる。
「伏せろ青崎!!」
後ろから白松の声がして伏せると頭上を白松お手製の手裏剣がいく。草戯原はそれを避けるが手裏剣は軌道を変えてまた襲いかかる。
すると今度は避けずに草戯原は手裏剣をキャッチする。
手からはドボドボと血が垂れるが草戯原は悲鳴の一つもあげないで平然としている。
「……正気かよ。」
白松が驚いていると草戯原が息を吸う。
「白松!! 耳塞げ!!」
「バン!!!!!!」
言うと草戯原は深く長く息を吸いはじめる。
「まずは鼓膜をぶち破ってやるよ。」
体を反りあげて息を限界まで吸いきった草戯原は勝利を確信したように言う。そしてニヤリと笑うと反っていた体を勢いよく起こしながら声をあげ……
「ぐぅ!?」
その瞬間、思い拳の一撃が草戯原のみぞおちを強襲し、吸い込んだ空気も吐き出してしまう。痛みから目を血走らせた草戯原の目に写り込んできたのは自身の攻撃で動けないでいたはずの男だ。
「貴様……なぜだ、平衡感覚を奪い身動きの取れぬようにしたはずなのに?」
青崎はその言葉に反応せずもう一撃入れようとゆっくり拳を引く。
「少し舐めすぎたか。効果が予想より早く終わったようだ。ならば今度はもっと強くかけてやろう。」
草戯原はすうっと息を吸い目を見開く。
「おまえはあいつを殺した後でゆっくりと遊んでやるよ!!!」
今度は平衡感覚だけでなく神経を震わせて麻痺状態になるような一撃を青崎へ放つ。これでしばらく青崎は動けず、白松が無残に殺されるのをただ見ることしかできない、はずだった。
しかし青崎はなんの変化も見せず引いた拳を勢いよく草戯原の腹へと放つ。無抵抗なまま2発のパンチを受けた草戯原は驚愕の表情を浮かべて背中を丸めた状態で2歩ほど後退する。
「なんで……なんで……!? なんで立っていられる? 脳を神経を麻痺させたはずだ! 僕様の音は確かに貴様に!!」
「ん? あーえっと、慣れた?」
「慣れた? 僕様の攻撃をたった数秒で慣れたというのか?」
「なんか、ごめん。」
軽く合掌して謝る青崎に草戯原は表情を一変させて、大声をあげて笑い出した。
「おもしろい、貴様もただの雑魚ではないようだな。いいだろう! もう遊びなんてことは言わない。2人まとめて僕様が始末してやる。貴様にも現場を見られてしまっているわけだしな。」
「だからさあ、おまえと俺らにそこまで差があるかって言ってんだろうが!」
青崎が先手を取って殴りかかる。草戯原は先ほど以上のキレを見せて避ける。すぐさま草戯原もパンチを繰り出すが青崎がそれをさばいて軽々とした身のこなしで体をねじりながら軽くジャンプして草戯原にかかと落としをお見舞いする。草戯原は地面に叩きつけられると青崎の左足を掴み、起き上がりながら背負い投げの要領で青崎をぶん投げる。そのまま倒れた青崎に追い打ちをかけようと近づいてきた草戯原の顔を蹴り上げて青崎ははね起きる。
「伏せろ青崎!!」
後ろから白松の声がして伏せると頭上を白松お手製の手裏剣がいく。草戯原はそれを避けるが手裏剣は軌道を変えてまた襲いかかる。
すると今度は避けずに草戯原は手裏剣をキャッチする。
手からはドボドボと血が垂れるが草戯原は悲鳴の一つもあげないで平然としている。
「……正気かよ。」
白松が驚いていると草戯原が息を吸う。
「白松!! 耳塞げ!!」
「バン!!!!!!」
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
ブレイブエイト〜異世界八犬伝伝説〜
蒼月丸
ファンタジー
異世界ハルヴァス。そこは平和なファンタジー世界だったが、新たな魔王であるタマズサが出現した事で大混乱に陥ってしまう。
魔王討伐に赴いた勇者一行も、タマズサによって壊滅してしまい、行方不明一名、死者二名、捕虜二名という結果に。このままだとハルヴァスが滅びるのも時間の問題だ。
それから数日後、地球にある後楽園ホールではプロレス大会が開かれていたが、ここにも魔王軍が攻め込んできて多くの客が殺されてしまう事態が起きた。
当然大会は中止。客の生き残りである東零夜は魔王軍に怒りを顕にし、憧れのレスラーである藍原倫子、彼女のパートナーの有原日和と共に、魔王軍がいるハルヴァスへと向かう事を決断したのだった。
八犬士達の意志を継ぐ選ばれし八人が、魔王タマズサとの戦いに挑む!
地球とハルヴァス、二つの世界を行き来するファンタジー作品、開幕!
Nolaノベル、PageMeku、ネオページ、なろうにも連載しています!
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる