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【第86話】アリスの独り立ち

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『アリスへ
おれは兵士でもあり、冒険者でもあった。危険な仕事もあるのでこの手紙を残す。アリスとの出会いで人生が変わったことをまず感謝したい。家族となってくれてありがとう。辛い思いをさせてしまうがそんな時は、沈む夕日におれへの思いをはせてほしい。そして登る朝日はアリスだと思っている。アリスが楽しく生きていくことだけがおれののぞみだ。』

アリスはドレドラスの手紙を何度も読み直した。

思い出すのは、ドレドラスとの冒険の日々だった。
ドレドラスのフォローをしたり、
ドレドラスの手当をしたり、
ドレドラスの仕事をこなしたり、

大変な日々だったが、忘れなれない日々だった。思い出すと少し笑みが込み上げてきた。

泣きつかれて起きた。少しスッキリしていた。

窓から外を見ると、ドレドラスと一緒にいた部隊の人達がクルミと戦っていた。すでにボロボロの状態だった。

「アリス様の為に!!」
よくわからないことを言っていたが、何となく状況は理解できた。

「あの人達とやりたいことをやればいいのかな?」

アリスは、部屋を出た。メリットが外で待っていてくれた。他には与一、ライゲンも遠くからのぞいていた。

「メリットお姉ちゃんありがとう。」

「もう大丈夫?」

「うん。」

そして外に出た。
クルミも気づいて、修行を止めた。

「アリス様!」
ラウルが隊を集合させつつ集まった。

「みんな心配かけてごめんね。もう、大丈夫だよ。」

「アリス、大丈夫?」
クルミは声をかけた。

「大丈夫。みんなにお願いがあるの。ここでの生活で帰るべき場所の必要性を感じたの。富士の国を再建したいから力をかしてほしい。」

「ご命令のままに。」
ラウルが反応して、一同うなづく。

「わしも力を貸します!アリス様。」

「同じく。」

与一、ライゲンも発言する。


「わたしもできることが会ったら何でも言ってね。」
クルミはアリスに言った。

「ありがとうクルミお姉ちゃん。それでお願いがあるの・・・・」

クルミはようやくかと思った。孤児院をカリディアにだろうと考えていた。

「何でも言って。」

「カリディアに・・・・」

「うんうん。」

「富士の国を作ってもいい?カリディアを貸してくれると嬉しいな。」

「いいよ。」

クルミは即答してしまった。

「えーーー!」
周囲からの反応は凄かった。

「もともとそのつもりで建国した国だからね。アリスの好きにしていいよ。」

クルミは自分でも王女など似合ってないし、窮屈だと考えていた。

その後が大変だった。
レオパルド王、ミンシアに怒られた。

カーグシン竜王は笑っていたそうだった。

そして、フリードには、小言を山程言われたが何とか条件をつけて納得してもらった。

そして、アリスを支援部隊や与一、ライゲンに任せて次の国へ旅立つ準備をすることにした。

今回は、メリットと2人になる。

「それで次はどこに行くの?ラルセット公国?」

それも選択肢にあった。久しぶりにジークに会いたいとも思ったが、カリディア、ラルセット公国もまだ安全と言えなかった。トルゴラムの侵略地域を増やしている。

「ちょっと行ってみたいところがあるんだよね。」

「どこですか?」

「魔物の国、ナオルグ。」

冒険者ランクでの協力が気になっていたのだった。なぜ推薦してくれたのか知りたいと思った。
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